社員の士気スコア、人事評価の適正感スコアも、年齢が高くなるにつれて新卒入社者と中途入社者でスコアが逆転する現象が起こっており、特にこの2つのスコアは似た傾向を示しています。

 30代までは中途入社者の方がスコアは高いのですが、40代、50代で下がり反転します。一方で、新卒入社者は年齢が上がるほどスコアが高くなっています。中途入社者は、40代、50代になるにつれて、人事評価を適正だと感じられず、やる気を失ってしまっているのかもしれません。

 そして風通しの良さスコアでは、20代、30代では両者がほぼ同じ水準にあったのが、40代、50代にかけて中途入社者のスコアが下がり、新卒入社者が上昇しています。結果、40代、50代における風通しの良さでは、新卒入社者の方が評価は高くなっています。

 年功序列がいまだに残る日本企業では“年齢が上がること”は、役職が上がることにつながるため、それに伴って自身の裁量権が増します。自分のやりたいことがやれる、言いたいことが言える。これはまさに「風通しの良さ」であり、年齢層が上がれば風通しが良くなるのは明らかです。

 しかし、上のグラフは、その効果は新卒入社者に限定されていることを示しています。なぜ新卒入社者だけが、年齢が上がると風通しが良いと感じるのでしょうか。それは、新卒入社者を重用する“プロパー至上主義”が、まだ多くの日本企業にあるからなのかもしれません。