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JAL再上場前に駆け込み増資
ANAの“荒業”は吉と出るか?

週刊ダイヤモンド編集部
2012年7月11日
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2100億円という巨額増資を決定した全日本空輸。株主に報いる責務は重い
Photo by Toshiaki Usami

 全日本空輸(ANA)が、2100億円の公募増資を決定した。

 ANAは過去にも2006年、09年に大型増資を実施しており、それに続くもの。中でも2100億円という額は最大規模になる。

 巨額の資金調達の使い道は何か。

 第一に航空機の購入だ。ANAはローンチカスタマー(最初の発注者)となったボーイング787など約80機の航空機を発注済みで、5800億円の資金を必要としている。その購入資金に充てる。

 第二がアジアへの戦略投資である。会社更生法の適用により日本航空(JAL)が業績を劇的に改善させており、「JALと同じことをしていたのでは差別化できない」(ANA幹部)と危機感を強めている。

 JALは欧米への長距離路線を強化するとしている。そこでANAは、それとは別のアジア地域へ重点的に投資する方針で、具体的にはアジアの航空会社や空港への出資を検討している。

 第三が財務体質の強化だ。ANAの12年3月末の自己資本比率は27.4%で、「盤石な財務体質というには、世界のエアラインの平均である30%は欲しい」(アナリスト)という指標を下回っている上、法的整理を経て身軽になったJALの35.7%に比べても見劣りする。

 今後は、航空自由化の流れや羽田・成田空港の発着枠の増加、LCC(格安航空会社)の台頭でますます競争が激しくなる。その前に経営体力を強化しようというものだ。公募増資で、自己資本比率は27%から35%に回復することが見込まれる。

 だが、ANAを増資に踏み切らせたのは、それだけではないようだ。JALの再上場前というタイミングを意識してのことである。

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