副業解禁ムードのなか、あえて問い直すリスクと「本業でやれること」副業解禁ムードが高まるなか、あえてその「落とし穴」を考えてみよう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

勤労者の副業への関心高まる
政府も副業の動きを後押し

 副業への関心が高まっている。総務省の就業構造基本調査によると、副業を希望する人はこの25年で少しずつ増え続けている。2017年には雇用者のうち副業を希望する人は約400万人、6.5%になった。実際に副業をしている人(会社・団体に雇用されつつ、他の会社・団体においても雇用される人)は、2017年に130万人弱、雇用者に占める割合は2.2%と、調査開始以来最高になった。

 本業では会社や団体に雇用されているが、副業としてはフリーランスや業務委託の形で仕事をするという人も少なくないため、実際に副業をしている人の数は、同調査の結果よりも多いだろう。リクルートワークス研究所の『全国就業実態パネル調査2017』では、正社員で「この1年間のうちに労働をともなう副業・兼業をした」と答えた人の割合が10.8%となった。

 副業への関心が高まり、実際に副業をする人も増えている背景には、安倍政権が「一億総活躍」や「働き方改革」といったキーワードとともに、副業・兼業を後押しする姿勢を見せていることがある。政府の思惑は、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方を推進することで、これまで労働市場に参入してこなかった人の労働参加や、複数の場所で労働する人を増やし、人手不足の解消につなげたいというものだ。

 こうした動きを受けて、企業のなかにも副業解禁をうたうところが出てきた。サイボウズの青野慶久社長は、以前より(会社の就業規定などにおける)副業禁止規定の禁止を主張しており、自社従業員の副業(同社では「複業」と表現することが多い)を全面的に認めるほか、自社を副業先として選ぶ人を積極的に採用している。ロート製薬では、2016年から「社外チャレンジワーク」という兼業制度をつくり、社員の副業を解禁した。

 働く個人の中には、副業解禁の動きに全面的に賛成する人も少なくないだろう。しかし、副業解禁にはいくつかの落とし穴があることを認識しておく必要もある。