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湧き上がるJAL批判は的を射ているか?
――早稲田大学アジア研究機構教授 戸崎 肇

2012年8月2日
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早稲田大学アジア研究機構教授。1963年大阪に生まれる。京都大学経済学部卒業。日本航空、帝京大学、明治大学を経て、2008年11月より現職。博士(経済学、京都大学)。主な著書に『航空産業とライフライン』(学文社)など。

 2010年1月に日本航空(JAL)は破綻した。長年の放漫経営、赤字路線の放置、投資や為替の失敗、そして安全問題や内紛など、相次ぐ失態を繰り返し、一部は社会問題にもなった。JALはダメ企業の典型で、破綻したのも当然とも言えよう。

 ところが、そのJALが劇的に復活した。2次破綻さえも懸念されていたJALの復活劇に全日本空輸(ANA)は焦燥感にかられ、「公的支援が一方的で、不平等な競争を強いられている」と訴えた。続いて、一部のマスコミや政治家がANAの訴えに同調する形で、JALの再生を支えた政府や国交省、そしてJALへの批判を強めている。ここで、JAL再生の意義を見つめ直すと共に、一連の批判が的を射たものであるのか検証したい。

JAL再生の意義 

(1)日本経済への効果

 JAL再生の意義の一つは、日本経済へのプラス効果であろう。倒産前のJALをみてみよう。08年度でみると、連結売上は約2兆円、連結従業員数は5万人を超えており、さらには取引先の企業も多く抱えていた。例えば、雇用に絞ってみても、JALが完全になくなっていれば、業界内では転職先が限られることや取引先が連鎖倒産することで、数万人が失業者となり、日本経済に大きな影響を与えていたであろう。海外から見ても、JAL再生は日本経済にとってプラスだったとの印象であろう。

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