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LGBT――もはや、知らないでは済まされない――

病気、介護、相続……老後の来ないゲイはない
すべての人に知ってほしい私たちが直面する課題

【第9回】 2012年8月3日
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フリーランスのライター・編集者として、筆者は同性愛者のエイジング、つまり年を取ることと、そこで起こる問題に関心をもち、自身の取材・執筆テーマとしている。なぜそんなニッチなテーマを追いかけるのか? それは私自身がゲイであり、現在46歳、エイジングのまっただなかにあるからだ。(ライター・編集者/永易至文)

1990年代に生まれた
日本の「ゲイ一期生」

ながやす・しぶん/1966年、愛媛県生まれ。ライター・編集者、2級FP、にじ色ライフプランニング情報センター主宰。同性愛者のライフプランに関するセミナーの開催や執筆のほか、FPとしての相談にも応じている。著書に「にじ色ライフプランニング入門ーゲイのFPが語る〈暮らし・お金・老後〉」『同性パートナー生活読本』など。

 本ウェブサイトの読者層なら、同性愛者をいまさら精神異常などと見なす人は少ないだろう。「自然の摂理に反する」とアナクロなことも言わないと思う。

 なかには、学生時代からの友人にカムアウトされた、何人かゲイの知り合いがいる――という人がいてもそんなに珍しいことではないし、「一応、差別意識はないつもりだ」と多くの人は言うのではないだろうか。

 日本で同性愛者が比較的、顕在化するようになったのは、1990年代以後である(もっとも都市部だけだろうが)。90年代の初期、女性雑誌をさきがけに「ゲイブーム」が巻き起こった。マスメディアに同性愛者が、「アートに強くセンスのいい人」という新しいイメージで登場。ついにはゴールデンタイムにキー局から、同性愛をテーマとしたテレビドラマ(『同窓会』1993年)が全国オンエアされる事態へ。

 こうした情況は当然、現実の同性愛者の動きを刺激した。自分だけが異常なんだと悩んでいた当事者が、実は同じ仲間がこんなにもいるということを知り、各地でサークルができ、そこに集まるようになり、交流し、自身が同性愛者であることを肯定的に受け入れていったのだ。

 欧米の同性愛者が、ホモセクシュアルという医学診断的名付けに替えて、自ら選びとった「ゲイ」(陽気な、の意味)という言葉を、日本の同性愛者も積極的に使うようになったのはこのころからだ。

 当時20代だった筆者も、この90年代のうねりのなかにいて、自身が同性愛者であることを受け入れていった一人だった。「ありのままの自分でいい」、そして「同性愛者として一生を生きていきたい」と考えるようになった。それは自己肯定、若者らしい「自分探し」の経験だったのだろう。

 こうしたゲイたちの「自分探し」は90年代中盤以後、携帯電話やインターネットなどのコミュニケーションツールの発達とクラブカルチャーの浸透で、一気に大衆化した。大勢の仲間たちと、大好きなディーバたちの曲に合わせて夜通し踊る興奮のなかで、ゲイである自分を肯定し、受け入れていった。

 この時期、日本ではじめて、ゲイというアイデンティティが、そしてライフスタイルとしてのゲイが登場したといえる。「日本のゲイ一期生」の誕生である。そう、いまこれを読んでいるあなたの友人・知人のなかにも、(カムアウトしているかどうかは別にして)ゲイ一期生がいるはずだ。

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LGBTという言葉を聞いたことがあるだろうか。。レズビアン(女性に惹かれる女性)、ゲイ(男性に惹かれる男性)、バイ・セクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害)の頭文字を取った総称であり、セクシャル・マイノリティ(性的少数者)を指す。個々人のセクシャリティは、①身体の性、②心の性、③好きになる性の組み合わせでできているので、実際には多様性がある

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