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巨大化する三菱ケミカルHD
難題は国内石化事業の再構築

週刊ダイヤモンド編集部
2009年8月25日
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 三菱ケミカルホールディングス(HD)が、三菱レイヨンとの買収交渉を進めている。交渉が成立すれば、中核事業会社である三菱化学をベースに、旧田辺製薬をグループに取り込むなど拡張を続けてきた“大三菱化学”がさらに巨大化する。

 買収報道を受けて、三菱レイヨンの株価は2割前後上昇し300円台前半になったが、それでも3年前の3分の1程度にすぎない。しかも、三菱レイヨンは今年5月に約16億ドル(約1500億円)で、アクリル樹脂原料に強い英ルーサイトインターナショナルを買収している。加えて、アクリル樹脂の原料となるMMAや炭素繊維など、将来有望な高付加価値事業を抱えていることを考慮すれば、2000億円前後と見られる買収額はそう高くはない。

 ただし、ルーサイト買収で有利子負債が倍増、3110億円に達した。自己資本比率は11.8ポイント低下して24.3%に落ち込むなど、財務体質が悪化している。さらに、8月10日には、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)と折半出資の合弁会社設立で合意した。その事業規模は10億ドルにも達し、三菱レイヨン側に今後、500億円規模の資金が必要になる可能性がある。三菱レイヨンにとっても三菱ケミカルHDは、格好の“後ろ楯”となる。

 攻勢を続ける三菱ケミカルHDにとって、最大の課題は国内石化事業の再構築にある。競争力低下による採算悪化で、縮小路線を選択したものの、他社と連携、パイプで結合されたプラントを停止するにはさまざまな調整が必要で、一朝一夕には進まない。さりとて中途半端に終われば収益性が改善せず、巨大化ではなく“肥大化”に終わるリスクもある。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 佐藤寛久)

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