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格差社会の中心で友愛を叫ぶ

押し入れ一段分で暮らす若者も…
シェアハウスは格差時代の必然なのか

西川敦子 [フリーライター]
【第5回】 2009年12月18日
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 これからの人生、右肩上がりの収入アップは望めない。もしかしたら、結婚だって難しいかも――。

 今、そんな若者たちの間で新しい住まい方が広がっている。シェアハウスだ。

 一方、家賃を滞納し、民間の賃貸住宅を退去していく人々の中では、ネットカフェ難民やホームレスが急増している。

 こんな時代に、若者が安心して暮らせる住居はあるのだろうか。シェアハウスや団地など、住まいの現場を歩いてみた。

プールバーにヨガ教室
個性溢れるシェアハウスも

 我が家は“押し入れ一段分”――そんな若者が現れつつある。

 最近、20~30代の間で広まりつつあるシェアハウス。自分の部屋のほかに、リビングやキッチン、バス、トイレなどを、同居する人々と共有する。冷蔵庫や電子レンジといった備品つきで、荷物が少なくてすむのがいい。敷金、礼金も不要だ。かわりにデポジットと呼ばれる保証金を支払う。

 だが、最大の魅力はなんといっても、同居している仲間とのコミュニケーションだろう。

 みんなで食事したり、テレビを見たり。一人暮らしでは味わえない家庭的な温かさを得ることができる。また、防犯面からも大勢で暮らす方が安心だ。

 シェア住宅検索サイト「オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産」を運営する「ひつじインキュベーション・スクエア」代表取締役北川大祐さんはこう説明する。

 「シェアハウスというと安いイメージがありますが、じつはそうでもないんですよ。通常の賃貸住宅とほぼ同じ価格帯のものも増えている。それでも人気があるのは、デザイン、コンセプトなどにそれぞれが工夫を凝らしているから。各部屋に水回りを造る必要がないため、オーナーにしてみれば初期投資が抑えられる。その分、共有部分の内装、管理などにおカネをかけることができるわけです」

 同サイトが紹介するシェアハウスは、従来の画一的な賃貸住宅にない魅力が溢れている。

 プールバーのある物件もあれば、ヨガスタジオ付きのところも。おしゃれな古民家風のシェアハウスもある。はたまた、自己研鑽意欲の高い高収入層に絞って入居者を募集し、互いの人脈づくりを応援する物件なども――。特徴があればあるほど、同じ志向を持つ人が集まり、輪が生まれやすくなる。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


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