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吉田克己の電子書籍フォーキャスト
【最終回】 2012年8月16日
著者・コラム紹介
吉田克己  [5時から作家塾(R) 代表/World Business Trend Tracker 主宰]

マルチアングルから
電子書籍の近未来をフォーキャスト
―― シリーズまとめ【後編】

新聞や雑誌のデジタル化の状況も見てみる

2011年度の新プラットフォーム向け電子書籍市場規模は112億円 前年度比363%増 ~電子書籍市場全体は629億円、2016年度に2,000億円規模へ成長と予測~(2012.07.03)  ※第6回掲載分再掲

電子書籍コンテンツの需要予測|ICT総研(2012.07.10発表)

 後者について、前年の同時期に発表された内容(2011.07.14発表)と2015年度で比較してみると、次のようになっています(2011年の発表では2015年度までを、今年の発表では2016年度までを試算しているため、ひと目ではわかりにくいのですが)。

(1)“2015年度の”電子書籍コンテンツ市場は、1890億円から1550億円に、“大幅に”下方修正されている。

(2)“2015年度の”電子書籍閲覧端末の市場は、745万台から970万台に、こちらは逆に、“大幅に”上方修正されている。

 この、一見して矛盾する結果をどう考えるか……難しいところです(ただし、こちらの調査も先ほどのインターネットコム&gooリサーチの調査と同様、コボタッチの発売前です)。

 また、今回初めて強調されている点として、「端末の機能・性能」「端末の形状・デザイン」のいずれも、タブレット端末の満足度が電子書籍専用端末を大きく上回っています。たしかに、(2)に相当するグラフをよく見てみると、タブレット端末の市場予測は大幅に上方修正されているものの、電子書籍“専用”端末については微増にとどまっています。

 つまり、これらの結果を総合的に考えると――

・電子書籍が読める端末の市場は、タブレット端末が牽引する。

・電子書籍“専用”端末は毎年微増にとどまりそうであり、これは電子書籍コンテンツ市場の予想成長率が鈍化していることと関連付けられそう。

・「電子書籍を読むため」というだけでは、電子書籍“閲覧”端末を購入する動機としては弱そう。

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吉田克己  [5時から作家塾(R) 代表/World Business Trend Tracker 主宰]

京都大学工学部卒。リクルートを経て2002年3月に独立。ダイヤモンド・オンラインでは、「消費インサイド」「デジライフNAVI」「就活の法則」などの企画・執筆に携わる。通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」の講師を務める。編・著書に『三国志で学ぶランチェスターの法則』『シェールガス革命とは何か』『元素変換現代版<錬金術>のフロンティア』ほか。


吉田克己の電子書籍フォーキャスト

やがて本はすべて電子化されるのか、それとも、やはり本は紙で読むものなのか……。かつて「ISIZE BOOK」のウェブマスターを務め、早い時期から本とウェブの理想的な関係を追求してきた吉田克己氏が、世界と日本の電子書籍マーケットを見渡しながらその近未来像をフォーキャスト(予測)します。

「吉田克己の電子書籍フォーキャスト」

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