オフィスではなくカフェなどの場所でWi-Fiやクラウドを駆使しながら働くスタイル「ノマド」が注目を集めている。しかし一方で、ノマド批判が一部でブームとなっているのも事実だ。ネット上では有名無名問わず、多くの人がこの話題を論じ、過激な批判も目立つ。

「なぜ、ノマドはこんなにも話題になるのだろう?」

ノマドというのは働き方の1つであるが、それが大きなトピックスになっているのは、このノマドという言葉が、単なる仕事術やスタイルを越え、なぜ人は働くか、人はどう働くべきなのかといった根源的な問題を突きつけているからなのではないだろうか。

そこで当連載『ノマドってどうよ? ~賛否両論から「働く」を考える~』では、ノマドの話題を軸にしながらも、「理想の働き方は?」と言った根源的な問題を考えていきたい。

第3回は、僕の目から見て、最も熱くノマドを批判しているイメージのある人材コンサルタントの常見陽平さんにお越しいただいた。ノマドについてのインターネット上での議論、特にソーシャルメディア上(TwitterやFacebookなど)で激しくなる論争について、常見さんはどう考えているのだろうか。そして、自身も「ノマドワーカー」であるにもかかわらず、なぜノマドに否定的なのだろうか。(インタビュー日:2012年7月下旬)

ノマドワーカーの私がノマド礼賛の奴らを叩く理由<br />論争の最前線に立つ常見陽平さんに聞く【前編】

■常見陽平さん
人材コンサルタント、著述家、大学講師。新卒でリクルートに入社し、「とらばーゆ」編集部などを経て、その後玩具メーカー、人材コンサルティング系のベンチャー企業などに転職し、現在はフリーランス。1974年生まれのロスジェネ世代。
公式サイト:http://www.yo-hey.com/
Twitter=@yoheitsunemi
Facebook=https://www.facebook.com/yoheitsunemi
【ノマドへの見解/筆者の印象】
[ノマド否定派と思いきや……]
最も過激なノマド批判の展開を行っている印象があったが、どうやら最近話題になっているオピニオンリーダーノマド(本文参考)に対して言いたいことがあるようだ。「総論は賛成、僕もノマドだし。でも…」と語る常見さんの複雑な思いは本文で。

 インタビュー日は当連載の初回の掲載日(第1回)の翌日ということもあり、佐々木さんのインタビュー内容についての話から始まった。

――第1回の記事をご覧になっていかがですか?

 佐々木さんのことはジャーナリストとしてリスペクトしているけど、ノマドの定義について梅田さんが質問しても、「難しい」から始まって、結局きちんとした定義をしていなかったよね。せっかくならノマドを広めた1人として「2012年夏現在のノマド」をきちんと定義してほしかった。