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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

アメリカ人は、日本、中国、ドイツの何に関心を持っているのか?

――ニューヨーク・タイムズの記事分析

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第28回】 2008年6月9日
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 前回に続き、今回も「NYTの検索ページ」の有効な使い方を紹介しよう。

 下の【表1】は、「縦に並んだ各項目」と「横に並んでいる国名」との「and検索」で得られるニューヨーク・タイムズの記事数(1981年以降[2008年6月4日時点])である(「and検索」は、複数のキーワード間にスペースを入れて検索すればよい)。たとえば、「Japan とtrade(貿易)のand 検索」では、22424件の記事がヒットする。最下欄の all には、国名だけで検索した場合の記事数を示す。一番右の欄の all には、その項目名だけで検索した場合の記事数を示す。

第28回図1
【表1】「and検索」で得られるNYTの記事数(1981年~2008年6月4日時点)

経済、貿易、テクノロジーで、
アメリカはモンロー主義を貫けない

 前回述べたのはアメリカ人の「国別関心の変化」だが、この表が示すのは「関心の内容」だ。いくつかの興味深い事実がわかる。

 一番上の United States は、「アメリカ合衆国」のことである(注1)。これと Japan がともに現れる記事(45685件)は、日米関係に関するものと考えることができる。それは、United States が現れる記事全体(559422件)のなかで、約8%のウエイトを持つ。そして、Japan が現れる記事全体(80212件)のなかでは、約57%のウエイトを持つ。つまり、「アメリカ人が自国を考えたときに日本との関係において考える場合」は約8%しかないのだが、「日本を考えたときにアメリカとの関係において考える場合」は、少なくとも約57%あるということだ(注2)。きわめて大雑把に言えば、「自国中心的メンタリティ」である。ただし、これはアメリカに限ったものでなく、どの国でも同じだろう。

 この傾向は、中国、ドイツとの間でもほぼ同じだ。しかし、中国の場合には、United States と China がともに現れる記事(37439件)は、United States の記事に対して6.7%のウエイトしかない。また、中国関係全体の記事(69938件)のなかでは、約54%のウエイトしかない。つまり、中国については、中国情勢そのものに関心が持たれるウエイトが(他国との比較で言えば)大きい、ということになる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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