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格差社会の中心で友愛を叫ぶ

もしも妻がいなくなったら!?
「父子家庭」を待ち受ける貧困の奈落

西川敦子 [フリーライター]
【第3回】 2009年11月27日
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 いつもの通り帰宅してみたら……妻の姿がない!?

 そんな場面をリアルに想像できるだろうか。だが、父親なら誰しもシングルファザーとなる可能性は皆無ではない。2005年の国勢調査によれば、父子世帯(祖父母などとの同居は含まない)は9.2万世帯。約75万世帯の母子家庭に比べれば少ないため、これまでさほど注目されてこなかった。

 とはいえ、2000年の同調査では父子家庭は8.7万世帯。じりじり増え続けていることがわかる。とくに30~40代と比較的若い世代で多く、2005年調査では、最多の40代が4.2万世帯。次が30代で2.3万世帯だ。

 なぜ、父子家庭が増えているのか?

 背景として考えられるのは、まず離婚自体が増加傾向にあることだろう。もうひとつは、同棲カップルの増加だ。

 前出の調査では、父子家庭のなかでも「未婚の父」が目立って増えており、1.3万世帯から1.9万世帯と、5年間で43.6%も伸びている。とくに20代後半では2倍に急増。「できちゃった婚」ならぬ「産んじゃった破局」が広がっているのだ。経済的に恵まれない若者が増える時代、結婚したくても親の許しが得られない、就職できずあきらめざるをえない、といったカップルは少なくないだろう。

 夫婦があたりまえに子どもを育てることさえ難しい現代。ある日突然、妻がいなくなったら――翌日からどんな生活が父子を待ち受けているのか。父子家庭の現場に聞いてみた。

妻が消えた翌日、会社を退職
収入は6分の1に…

 「申し訳ありませんが、今日で退職させてください」

 宮原礼智さん(37歳)が上司にこう切りだしたのは、妻が出て行った翌日のことだった。

 「勤め先は広告代理店。文字どおりの仕事人間でしたよ。毎日夜中まで残業、残業。子育ても家事も妻に任せきり。今思えば、彼女もギリギリだったんだと思います。だけど、3人の子を残して出て行ってしまった、とわかったときは、頭が真っ白になりました。なにしろ長男は7歳、次男は4歳、末の娘はまだ1歳。ようやく離乳食を口にするようになったばかりで、オムツも外れていなかった」

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


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