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【大分県】 地元を離れてこそ才覚を発揮!?

都道府県データ:Vol.8

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第8回】 2008年12月4日
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 大分県といえばやはり「観光」が真っ先に思い浮かんでくる。といっても、古くは別府、最近は湯布院に代表される温泉である。これは阿蘇の火山群が近くにあるからだが、お隣の熊本県が「火の国」と呼ばれているのとは対照的に、どうも地味なところがある(温泉の数は大分県のほうが多い!)。それはもっぱら、大分県(豊後国)が歴史の表舞台に登場することが少なかったせいだろう。

 この国は九州にありながら、なぜか九州を向くことが少なく、むしろ四国や関西方面との交流が深かった。それはひとえに、宮崎県(日向)や熊本県(肥後)、福岡県(豊前)と山々によって隔てられていたからだ。しかも、県内は江戸時代を通じて多くの小藩が分立し、その領地を没収される改易や別の場所に替わる移封も行なわれなかったから、人々の動きも乏しかった。

 そうした社会に生きる人々はおおむね、実直で誠実な気質を持ち、約束もきちんと守る。そうでないと、除け者にされかねないからだ。その点では、九州のなかでもいちばん信頼の置ける県民だろう。

地域起こしの妙案
「一村一品運動」

 また、戦国時代、キリシタン大名が君臨した時期は、ポルトガルや東南アジアとの交流も盛んだった。そのため、府内(現在の大分市)には当時としては最先端を行く病院や神学校まであったという。

 となれば、長崎県や博多(福岡市)と同様、ヨーロッパ流の個人主義的な価値観、自主独立の気風もそこそこ根づいていたに違いない。近代に入ってから福沢諭吉を輩出したのもあながち故なきことではないのである。

 ただ、諭吉も大阪に行って学んだように、大分県人は地元を離れたほうが才覚を発揮する傾向が強いようだ。地元にずっと張りついていると、ともするとせせこましい考え方に陥りがちである。

 地域起こしの妙案としても評価が高く、大分県を一躍有名にした「一村一品運動」は、そうした気質を逆手に取った結果ともいえる。大分県人と接するには事前のリサーチを欠かしてはならない。相手の生まれ育った地域に焦点を当てた話題を持ち出すことである。

◆大分県データ◆県庁所在地:大分市/県知事:広瀬勝貞/人口:120万9587人(2005年10月)/面積:6339km2/農業産出額:1353億円(2005年)/県の木:豊後梅/県の花:豊後梅/県の鳥:メジロ/温泉源泉総数:5081孔(2005年)

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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