全国のビジネスパーソンのみなさん、こんにちは。ある日突然部長に呼ばれて「君、Facebookをやっているよね。そういうの、詳しいよね。だから、このプロジェクトのソーシャルメディア担当お願いするわ」なんて話をされて、よくわからないまま社内プロジェクトの広報担当、あるいはウェブ担当になってしまった人の話をよく耳にします。

この連載は広報の専門家、編集の専門家でない人が、企業やブランドのコミュニケーションのためにネットコンテンツを作ったり、サイトを運用したり、あるいはその宣伝のためにソーシャルメディアを活用するためのティップスを毎度提供していこうと思っています。

週刊誌の記事をそのまま
ネットに出してもPVは取れない?

 雑誌でウケル文章と、ネットでウケル文章は全く違う、ということをまず押さえましょう。メディアにはメディアに適した編集のお作法があるからです。

 電車の中にモニターが設置されていますね。そのモニターでワインディングロードを走る車のCMを見ても、家のテレビで見るほど走りのシズルが感じられません。なぜなら人は電車という空間を「情報を得る場」ととらえているからです。

 週刊誌の見出し広告やドア横にある進学塾の入試問題広告など電車の中に置かれたメディアは、「表現」を伝えるものより、「情報」を伝えるモノが中心です。人々は無意識のうちにそれぞれのメディアとどう付き合うかそのスタンスを決めています。

 電車という空間メディアは情報をもらう場所として多くの人に認識されているのではないでしょうか。だから、トレインチャンネルも天気予報に絡めたり、クイズ仕立てにしたCMがウケるのです。

 そんな視点で雑誌コンテンツとネットニュースサイトを比較してみたいと思います。

 ネットニュース編集者の間でよく言われることは、「週刊誌の記事をそのままネットに上げてもPV(ページビュー)が取れない」ということ。例えば、週刊誌掲載時にはアンケートでとても人気のある記事だったのに、ネットに上げたら予想外にPVが取れないことがよくあるのです。

 雑誌に載っていた時はみんなが喜んで読んでいたのに、ネットにそのまま移植してもネットの読者は喜ばないことがある。なぜでしょう?