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嶋浩一郎のビジネスパーソンが知っておきたいPR・編集講座
【第1回】 2012年9月6日
著者・コラム紹介
嶋 浩一郎 [クリエイティブティレクター・編集者・博報堂ケトル代表取締役社長]

ネットのほうが紙より“没個性”というお話

雑誌でウケル文章、ネットでウケル文章、どう違う?

全国のビジネスパーソンのみなさん、こんにちは。ある日突然部長に呼ばれて「君、Facebookをやっているよね。そういうの、詳しいよね。だから、このプロジェクトのソーシャルメディア担当お願いするわ」なんて話をされて、よくわからないまま社内プロジェクトの広報担当、あるいはウェブ担当になってしまった人の話をよく耳にします。

この連載は広報の専門家、編集の専門家でない人が、企業やブランドのコミュニケーションのためにネットコンテンツを作ったり、サイトを運用したり、あるいはその宣伝のためにソーシャルメディアを活用するためのティップスを毎度提供していこうと思っています。

週刊誌の記事をそのまま
ネットに出してもPVは取れない?

 雑誌でウケル文章と、ネットでウケル文章は全く違う、ということをまず押さえましょう。メディアにはメディアに適した編集のお作法があるからです。

 電車の中にモニターが設置されていますね。そのモニターでワインディングロードを走る車のCMを見ても、家のテレビで見るほど走りのシズルが感じられません。なぜなら人は電車という空間を「情報を得る場」ととらえているからです。

 週刊誌の見出し広告やドア横にある進学塾の入試問題広告など電車の中に置かれたメディアは、「表現」を伝えるものより、「情報」を伝えるモノが中心です。人々は無意識のうちにそれぞれのメディアとどう付き合うかそのスタンスを決めています。

 電車という空間メディアは情報をもらう場所として多くの人に認識されているのではないでしょうか。だから、トレインチャンネルも天気予報に絡めたり、クイズ仕立てにしたCMがウケるのです。

 そんな視点で雑誌コンテンツとネットニュースサイトを比較してみたいと思います。

 ネットニュース編集者の間でよく言われることは、「週刊誌の記事をそのままネットに上げてもPV(ページビュー)が取れない」ということ。例えば、週刊誌掲載時にはアンケートでとても人気のある記事だったのに、ネットに上げたら予想外にPVが取れないことがよくあるのです。

 雑誌に載っていた時はみんなが喜んで読んでいたのに、ネットにそのまま移植してもネットの読者は喜ばないことがある。なぜでしょう? 

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嶋 浩一郎 [クリエイティブティレクター・編集者・博報堂ケトル代表取締役社長]

1993年博報堂入社。企業のPR活動に携わり、2004年「本屋大賞」を立ち上げる。06年には、既存の手法にとらわれないコミュニケーションを実施する「博報堂ケトル」を設立し、「島耕作×ザ・プレミアム・モルツ」など数々の広告キャンペーンを担当。雑誌「ケトル」編集長。『ブランド「メディア」のつくり方』など編・著書多数。


嶋浩一郎のビジネスパーソンが知っておきたいPR・編集講座

今、情報を収集する側にも“PR”と“編集”のスキルが求められています。現代は、集めた情報と情報の化学反応が新たな価値とマーケットを創出する社会だからです。メディアの特性と文脈を読むプロフェッショナルの手法をビジネスパーソンに活用してもらうための講座です。

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