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China Report 中国は今

反日感情に温度差、一枚岩になれない中国
~上海の反日デモの現場から

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第108回】 2012年9月21日
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上海の反日デモは
90后の「ステージ」の様相も

 柳条湖事件が勃発したとされる9月18日、上海でも反日ムードが一気に高まり、上海日本総領事館周辺はデモ隊の掲げる五星紅旗で赤く染まった。「魚釣島は中国のものだ」「日本製をボイコットせよ」と叫ぶデモ隊が日本領事館を取り囲んだ。

上海の反日デモ。毛沢東主席のプラカードを掲げる参加者も
Photo by Konatsu Himeda

 抗議現場には次から次へと異なるグループのデモ隊が参集する。言葉になまりのある者が多く、外省出身の労働者や、外省から乗り込んできたグループ、個体戸と呼ばれる個人経営者らが目立った。だが、総じて若者が多い。組織するリーダーにはまだあどけなさが残る90后世代(90年代生まれの一人っ子)もいる。

 明らかに格差社会の底辺に属する人々が圧倒的だ。彼らの富の再分配に対する不満は毛沢東思想へと傾斜させるのか、毛沢東の写真が貼られたプラカードを掲げる“分子”もいた。

表情にあどけなさの残る若者の姿も多かった
Photo by Konatsu Himeda

 総領事館に通じる仙霞路・遵義路・興義路・山関路はデモ隊の花道と化し、集まってきた一般民衆らがそれを撮影する。当コラムでも書いたが、経済成長の黄金期を外し、出番を失った90后にとって、唯一の“スポットライトを浴びる機会”といえば、こうした政治的扇動活動ぐらいしかない。

 都市によっては数十億円にものぼる大変な被害をもたらしたデモもあったようだが、上海の抗議デモは「俺が時代のヒーローだ」と目立ちたい若者のイベントであり、祭りであり、パフォーマンスある側面が存在する。集まってくる一般民衆もそれを知っていて「またやってる」「どうせパフォーマンスだろ」とニヤニヤしながら見ていた。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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