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週刊・上杉隆

党首討論で西松問題攻撃に終始
麻生首相に政権与党総裁の矜持は無い

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第79回】 2009年5月28日
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 たった今(5月27日午後4時)、麻生首相と鳩山代表による初の党首討論が終わった。筆者は、討論の行なわれた参議院内にいながら、言い難い虚脱感に包まれている。その理由は麻生首相の側にある。

 昨年来、麻生首相は党首討論の機会を待ち望んでいたという。通常国会の最後になってようやくその機会がまわってきた。それがきょうの党首討論だった。

 だからこそ筆者は、党首討論の始まる前まで、麻生首相は、自らの施政を誇示するような発言に終始するのではないか、と考えていた。きっと、麻生内閣の進める経済景気対策を説明し、審議中の補正予算案の正しさを主張するに違いないと思ったのである。

 だが、予想は外れた。麻生首相は、国家のリーダーとして、内閣総理大臣として、唖然とするような愚挙に出たのである。

〈国民からして今、最大の関心事は西松(建設の違法献金)の問題だと思います。この国民からの目線というものは、一番の関心事であって、これに対して、鳩山代表として、十分に国民に対して、説明を果たされたと思っておられるのでしょうか。また、責任を取られたというような話をされますが、説明を取られた方(小沢一郎前代表)が、鳩山代表に次ぐ代表代行になっておられるのが、責任の取り方なんでしょうか。私から言わすと、なかなか、国民目線からみると、なかなか理解しがたいんだというのが正直の実感だと、私は、ほとんどの方がそう思っておられる(と思う)。これは世論調査にもよく出てきている数字だそうですから、ぜひその意味で、きちんとした説明責任というものを十分果たされないと、これらの質問に対しては、なかなか問題があるのではないかと〉(党首討論詳報「産経新聞」ウェブ版)

 昨年来、世界は、金融・経済危機から抜け出せない困難の中にある。

 当初、ひとり「心配無用」として対策を怠ってきた日本も例外ではなくなっている。いや、むしろ経済成長率(15.2%マイナス 1-3月期実質GDP)の指標を示せば、世界でもっとも不安な国家のひとつに成り下がっている。

 麻生首相は、日本の危機よりもこの問題の方が重要だというのだろうか。果たして、自分の明日の生活より、野党の前代表の政治資金に興味のある国民がそんなに多いものだろうか。筆者は違和感を禁じえない。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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