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結果を出すリーダーはみな非情である  30代から鍛える意思決定力
【第2回】 2012年10月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
冨山和彦 [経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO]

トップリーダーと現場リーダーは
似て非なるものである

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東日本大震災後の復旧作業など、現場の作業員の心をひとつにして、同じ方向に向かって進んでいく――そういう「現場力」を高めるリーダーシップが上手な日本人は多い。しかし、トップがすべき意思決定には痛みや犠牲が伴い、それに基づいて組織を動かしていかなければならない。先の現場力とは違った思考と行動力が求められる。

日本人が苦手な真のリーダーシップ

 日本の組織の強さは、現場力にあると言われる。

 会社でも役所でも、共同体型の組織は極めて明確に共有されたゴールを設定されると、持ち場ごとに判断してすごいスピードで突っ走る。

 東日本大震災後の復旧がよい例だ。地震で寸断された道路を直す、壊れた生産ラインを再稼働させる、といったときの復旧スピードは見事なものだった。

 全員で共通されたゴールに向かって、段取りを進めて作業をスピーディにこなしていく。これがまさに現場力である。だからこそ、部品供給などのサプライチェーンも早い段階から回復した。

 実はこの復旧を決めるプロセスでは、大きな意思決定はほとんど必要ない。みんなが共通の目標を持ち、復旧によって得られる利益も共有している。壊れた工場の建て直しに反対する人はいないからだ。

 このように、右へ行くか左へ行くか、という大きな判断が必要ないときは現場力で突き進める。しかし問題は、共同体の中で不調和を起こしそうな課題が生じた場合だ。

 「復旧」から「復興」へとステージが移ってくると、この手の課題に次から次へと直面することになる。たとえば、住宅地の高台移転をどうするか、瓦礫をどう処理するのか、原発をなくすのかなくさないのか。共同体内で大きな意見対立がある問題に直面すると、とたんに立ち止まってしまう。

 現場責任者が「みんなで力を合わせて乗り越えよう」と、歯を食いしばって頑張る、そういうリーダーシップもあるのだが、本当のリーダーシップが必要なのは、そういう場面ではない。甲論乙駁で議論が分かれて、深刻な利害対立が生じているときには、「東に行くのか、西に行くのか」「やるのか、やらないのか」をトップダウンで決めなくては物事は前に進まず、状況はますます悪化していく。

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冨山和彦 [経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO]

ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役社長を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。解散後、IGPIを設立、数多くの企業の経営改革や成長支援に携わり、現在に至る。オムロンやぴあの社外取締役、朝日新聞社社外監査役、中日本高速道路社外監査役のほか、多くの政府関連委員を務める。1960年生まれ、東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。


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