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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

格差問題の第一人者が憂う“格差の拡大”
「下流から一歩進んで下層へ!」

山田昌弘・中央大学教授インタビュー

週刊ダイヤモンド編集部
2008年11月7日
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かつて、社会に出た後も親と同居し援助を受け続ける若者を「パラサイトシングル」と名づけた山田教授。2004年に執筆した『希望格差社会』では、非正規雇用の若者が不安を感じ続ければ、犯罪にも質的変化が生まれると予言した。

山田昌弘 中央大学教授
やまだ・まさひろ/中央大学文学部教授/家族社会学者。1957年生まれ。81年東京大学文学部卒業、86年同大学院社会学研究科博士課程退学。著書は『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書)、『希望格差社会』(ちくま文庫)、『「婚活」時代』(ディスカバー携書)など多数。

――秋葉原無差別殺傷事件や八王子の通り魔事件では、非正規雇用の若者が加害者となった。

 八王子の事件では中央大学の学生が被害に遭ってしまった……。私は、ずっと、非正規雇用の人たちにインタビューをしてきた。

 1990年代後半までのフリーターの若者には夢があった。たとえば、ロックスターになりたい、大企業の正社員になりたい、などだ。しかし、同じ立場の人たちが2000年代に入ると夢を持てなくなってきた。

 人間は不安定な状況に長くいることに耐えられない。もともと、今の若いフリーターには、高校や大学を卒業するときに、たまたま就職氷河期だったためにフリーターとなった者が多い。まさか長期間フリーターのままとは考えていなかったのかもしれない。

 10年もフリーターという不安定な状況が続くことに、耐えられなくなったのだろう。

――かつて、山田さんが「パラサイトシングル」という言葉で表現したように、フリーターでも親を頼っている若者もいるはずだ。彼ら、彼女らは少なくとも不安定ではないのでは?

 これだけ長い期間不安定だと、親も疲れて彼らを支え切れなくなっている。昔なら、25~30歳といえば、それなりの仕事をしていて社会で認められていた。正社員ならば上司や同僚、部下など叱咤激励し、認め合い、コミュニケーションできる仲間がいた。

 しかし、今の非正規雇用の若者は違う。自分を認めてくれる存在がいないのだ。だからこそ、ますます家族を頼りにして、親をよりどころとしてきた。

 ところが、疲れてきた親は子どもを突き放しつつある。そうなると、ほかにつながりがなく、家族に強く依存してきた非正規雇用の若者はよりいっそう孤独を感じてしまう。安心してパラサイトすらできない状況になりつつあるのだ。

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