上司への報連相に、もし上手下手があるとすれば、それはどれだけのことを伝えられるかではなく、どれだけのことを捨てられる(伝えない)かにあります。

 だから「1分で話す!」ことを自分に課してください。そうすれば、伝えられるのは、一番ダイジなことだけです。

 捨てる技術や心持ちの話は、し始めたらきりがありません。でも、「1分で話す!」という枠を自分に課して『重要思考』をすることで、捨てられます。

段階ごとに区切って話す。一度に全部話さない

 せっかく伝えることを絞っても、それを次々といっぺんに投げつけたのでは、相手が受け止めきれません。

 とても短く説明できて、相手が「どんどん話せ」と言うならそれもいいでしょう。

 でも、基本は「段階ごとに区切って話す」です。

 ある研修でのこと。優先順位付けの問題を出し、まずは個々人で考え、そのあと数名ごとのチームで議論してもらう形にしました。

 あるチームはたまたまベテラン1名、若手4名。ベテラン男性は若手たちに請われるままに、チームディスカッションの口火を切りました。

「オレはこういう前提で、こう考える。そうすると戦略としてはこうなって、そのためにはこれが必要で、結論としてはこういう優先順位付けとなるな」

 途中で口をはさむヒトもいなかったので、彼は一気にその主張を述べ切りました。内容的には、ほぼ正解です。かつ正しい構造(前提と結論の組み合わせ)でした。

 でも、そのあとはしっちゃかめっちゃか。