相手に結論を言わせる。判断基準は合意して

 相手にちゃんと伝えるコツの最後に、ちょっとだけ高等技術を紹介します。

 それが「結論を相手に言わせる」ことです。

 これは『○○の交渉術』といった本には必ず載っている技術で「自己説得」とも呼ばれます。ヒトは他人の言ったことより何より、自分の言ったことを信じますから。

 話の最後に相手に質問して、結論を言ってもらいます。

 こちらの言いたいことと一致していれば大成功です。

 ところが、これは言うほど簡単ではありません。

 もともとその結論に肯定的なヒトなら、そんなことをするまでもなく、否定的なヒトなら、そんな罠に簡単には落ちないからです。

 でも、『重要思考』で考えれば、なんとかなるかもしれません。

 それはダイジなこと(前提)として、「最終目的」「判断基準」を示してまず合意を得る方法です。そして「選択肢」を示します。

 相手は「選択肢」のところで、文句を言うかもしれませんが、相手の求めに応じていくら増やしても構いません。その中に押したい結論さえ入っていればいいのです。

 もちろん、判断基準に従えばその結論が最適解になっていないと困りますが。

 いや、そんなぎりぎりの交渉術でなくとも構いません。

「伝えることを1つに絞る」「段落ごとに区切って話す」「短く話す。言い直さない」を、努力してやりとげたのであれば、大丈夫。相手が、こちらの伝えたいことを、受け止め、理解し、考える時間があったということなのですから。

 最後に、自信を持って白紙の短冊を相手に渡しましょう。

「ということであれば、結論はどうなるでしょうか?」と。