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「引きこもり」するオトナたち

大学までは順調なのに働くことにつまずく
“大卒無業者”になる人の共通点

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第126回】

 大学までは問題なく卒業したけれど、社会に出たとたん、人間関係や組織への適応などが上手くいかなくなり、仕事に就けずに無職になる。そんな“大卒無業者”の状況に追い込まれる人たちの存在が、顕在化するようになったという。

大卒でも就職・進学できない若者は
約8万6000人に

 「全国の地域若者サポートステーション(厚労省が委託する就労支援事業:通称サポステ)に来る人たちの傾向を見ると、大卒の肩書を持った人たちは、(医療的背景があるケースを除いても)20~30%くらい。僕らの所に働くことにつまずいた大卒者が来ること自体、予想されていなかったと思うんですね」

 そう説明するのは、10月31日に『大卒だって無職になる “はたらく”につまずく若者たち』(エンターブレイン)を上梓した、若者の就労支援団体『NPO法人「育て上げ」ネット』(東京都立川市)の工藤啓理事長。

 同ネットに、大卒の肩書きを持った無業者が相談に訪れた数は、1000人を超えるという。当連載にも、以前記事で紹介した1年に300社落ち続けた男性を始め、メールで寄せられた体験談の中には、大卒や大学院を修了したような高学歴の人たちが数多く見受けられた。

 「結局、働くというところまで見てもらえないで、面接で落ちるんですよ。名もない大学卒だと、紙の段階でふるいにかけられる。人物本位とうたっていながら、人物に会うまでに戦力になるかどうかのハードルがあって、そこを超えられずに働く場まで行けない人たちが結構いるんです」(工藤さん)

 同書によれば、警察庁は、2011年には、大学生ら150人が、就職活動の悩みを理由に自殺したと発表。また、文部科学省の学校基本調査速報は、大卒者で就職も進学も“できなかった”若者は約8万6000人に上ると推計しているという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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