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ミャンマー その投資ブームは本物か

ついに成立した新外国投資法のポイントを整理
保護主義的要素は文面上後退し外国企業には朗報

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第14回】 2012年11月8日
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長らく修正について審議されていたミャンマーの外国投資法が、先日11月2日にようやく成立した。今回は、その修正の内容等について下記の主要論点を改めて整理したい。

1、そもそも外国投資法とは何か
2、今回の改正の背景は何か
3、改正議論における紆余曲折の理由とその意味
4、今回の主要変更点
5、日本企業にとっての今回の修正の意味とは何か

なお、今回の改正において、より具体的な内容やその影響等については、今後発表される施行規則等さらなる詳細な情報を待つ必要がある。従って、あくまで現時点でわかる範囲での情報である旨ご留意頂きたい。

外国投資法とは何か

 まず、そもそも外国投資法とはどういった法律で、どのような場合に当てはまる話なのか。下記は、本連載第2回からの引用である。

 「外国投資法とは、外国からの投資を促進させるために1988年11月に公布された法律だ。比較的大規模な投資を行う場合に、外国投資法に基づく許可をミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission、略称:MIC)から受けて、実行するケースが多い。一方でよく誤解されやすい点だが、外国からの投資においては、必ずしもすべて外国投資法に基づき申請を行う必要はない。

 外国投資法のメリットは、許可された場合、優遇税制を受けられることだ。外国投資法に基づいて設立された一定の事業を行う会社は、事業開始から3年間所得税が免除される。この減免期間は、今年の法律改正で5年に延長されることが見込まれている。また、それ以外にも、所得税の減免期間の追加や固定資産の加速減価償却、損失の繰越し等、その他の優遇税制が個別に認められる場合もある。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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