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ミャンマー その投資ブームは本物か

ミャンマー進出に理解必須の会社法と外国投資法
進出担当者の考えるべき視点と会社形態

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第2回】 2012年8月10日
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Photo:Japan Asia Strategic Advisory

 「現在修正プロセス中の外国投資法の、修正の中身が重要なのではない。それよりも、修正について皆が注目している事実が大事なのです」(ミャンマー現地弁護士)

 現在ミャンマーにおいては、過去長い間放置されていた法制度の修正作業が急ピッチで進められている。なかでも外国投資家にとっては近々に開示される外国投資法の改正に注目が集まっているが、上記はその修正内容について現地弁護士に訪ねたときに返ってきた言葉だ。軍事政権下では法治という言葉から程遠かったが、ようやく遵法意識が高まりを見せており、その動向から目をそらしてはいけない。先週の第1回では、ミャンマー進出において一般的に言われている魅力とリスクについて、整理した。

 今回は、ミャンマー進出において可能なストラクチャーについて説明したい。ただ、その説明に至る前に、ミャンマーの法制度の枠組みが、歴史的経緯からどのように変化してきたかを見ていこう。

ミャンマーの近代史と法制度

 ミャンマーは過去にイギリスの植民地であったことから、基本的に英国の判例法の強い影響を受けてきた。特に、英国のアジアにおける植民地拡大の経緯から、ミャンマーでの植民地行政においては、インド統治で用いられていたインド法典が移植されて、ビルマ法典となっている。

 1948年の独立以降は、植民地時代の法規制に新しい独自の法律を成文法として足し合わせる形で対応してきたが、1962年のクーデター以降は、軍事体制による社会主義的色彩の強い法規制がその後26年間ほど続いた。1988年の全国的な民主化要求デモにより、社会主義政権が崩壊するが、その後、国軍がデモを鎮圧し政権を掌握すると、再び英国コロニアル法制に独自の法規を加えていく形態に戻り、現在へと続いている(次ページ図表1参照)。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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