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牛丼チェーンは安売りの呪縛から抜け出せるか?
熾烈な「プレミアム丼戦争」に交錯する光と闇

岡 徳之
2012年11月9日
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今、牛丼チェーンで「焼き丼」が人気だ。これは従来の牛丼より高価格で販売されているため、牛丼フリークからは「プレミアム丼」と呼ばれている。各社はこぞって新商品を投入しており、さながら「プレミアム丼戦争」の様相を呈し始めた。熾烈な安売り競争で疲弊してきた牛丼チェーンにとって、呪縛から抜け出すための光明となるのか。それとも、一過性のトレンドで終わってしまうのか。「プレミアム丼戦争」の行方を追い、各社が目指すべき新たなビジネスモデルをリサーチする。(取材・文/岡 徳之、協力/プレスラボ)

牛丼3社が続々と「焼き丼」を投入
東京チカラめしがもたらした高価格路線

安くて手軽に食べられる牛丼は、日本の最もポピュラーなファストフードの1つ。最近、牛丼チェーン店で高価格商品が増えていることに、お気づきの人も多いだろう。

 今、牛丼チェーンで「焼き丼」が人気だ。これは従来の牛丼より高価格で販売されているため、牛丼フリークからは「プレミアム丼」と呼ばれている。各社はこぞって新商品を投入しており、さながら「プレミアム丼戦争」の様相を呈し始めた。

 業界最大手のゼンショーホールディングスが展開する「すき家」は、先月3日から「豚かばやき丼」を国内全店で発売。蒸して炭火で焼いた豚肉に、白髪ねぎと粒山椒を添えた丼だ。

 2009年度に国内売上高においてすき家にトップの座を空け渡した吉野家は、傘下の店舗で昨年12月に「焼味豚丼 十勝仕立て」、今年7月に「焼味 ねぎ塩豚丼」、そして9月に「牛焼肉丼」「牛焼肉定食」と立て続けに焼き丼を投入してきた。

 業界3位の松屋フーズが展開する「松屋」も、昨年9月に「ネギ塩豚カルビ丼」、今年4月に「牛カルビ丼」、8月から「焼き牛めし」を販売している。

 足もとで、投入効果はまずまずのようだ。吉野家の「牛焼肉丼」「牛焼肉定食」は、発売開始の9月から1ヵ月足らずで300万食を突破。「焼き丼」を牛丼業界の新たなカテゴリーとして定着させる盛り上がりを演じている。

 従来、牛丼業界で起きてきた熾烈な争いと言えば、低価格競争だ。しかし、今回の「焼き丼」戦争はやや様子が異なる。

 各社が展開する焼き丼の価格に注目してほしい。すき家では「豚かばやき丼」が630円(牛丼並盛が280円)。吉野家では「牛焼肉丼」が480円、「牛焼肉定食」が530円(牛丼並盛が380円)。そして松屋では「焼き牛めし」が380円(牛めし並が280円)となっている。それぞれ定番商品と比較して100円程度高値となる。いわば、低価格競争から高価格の「プレミアム丼競争」へと移行しているのだ。

 「たかだか100円じゃないか」と言うなかれ。外食市場で価格破壊が進むなか、数十円~100円の値上げは、店舗にとって客足を大きく左右するインパクトを持っている。

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「マイナビニュース」「J-CAST」など、主にウェブ媒体での執筆活動を行ない、IT業界全体を俯瞰するマ クロな視点とウェブ技術に特化したミクロな視点で、業界を定点観測している。デジタルネイティブ世代とロスジェネ世代の中間層(1986年1月生まれ)。PRエージェンシー勤務を経 て、2011年より企業広報・ソフトウェア開発を専門とした株式会社tadashikuを立ち上げる。国内大手BtoCブランドのPR業 務に従事し、国際的な広告賞を受賞したデジタルクリ エイティブキャンペーンにも携わった。


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