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生活保護のリアル みわよしこ

現状把握も検討も不十分なまま生活保護費引き下げ!?
厚労省・財務省主導で迷走する生活保護制度改革の今

――政策ウォッチ編・第1回

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【政策ウォッチ編・第1回】 2012年11月9日
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2012年8月に「税と社会保障の一体改革法案」が成立して以後、生活保護制度の改革に関する具体的な議論が活発になっている。2012年11月5日には、岡田克也副総理が生活保護制度を「事業仕分け(行政刷新会議「新仕分け」)」の対象とする考えを示すなど、事態は急転しようとしている。

これらの議論は、どの程度、事実に基づいているのだろうか? 何をゴールとしているのだろうか? ゴールへ向かって確実に歩める見通しは、ありそうだろうか? 

今回は、厚生労働省「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を中心に、現在、生活保護政策がどのように検討されているかを紹介する。

「生活保護費削減」ありき?
財務省と厚生労働省にリードされる生活保護制度改革

 はじめに、生活保護制度をめぐる政府・官庁での議論と、それらに関連する社会の動きを整理してみよう。

 生活保護制度の縮小・生活保護費削減という既定路線に沿ったストーリーの大きな流れを、主にTVが推進し、省庁間のちょっとした対立がエピソードとして挟まれているように見える。そこに反映されている「民意」のうち最大のものは、現在のところ、生活保護バッシングへの同調だ。

 このままで良いのかどうかを考える前に、まずは、厚生労働省がどのような検討を行なっているのかを見てみよう。

なぜ今年、生活保護に関する議論が活発か
5年に一度の見直しで受給者が「生存さえ困難」に

 そもそも、なぜ2011年から2012年にかけて、特に2012年に入ってから、なぜ生活保護に関する議論が活発になっているのだろうか? 

 実は、本年・2012年は、5年に一度行われる生活保護基準見直しの年に当たっている。基準見直しに関する結論は、2012年末に取りまとめられる。このため、政府・各省庁・各政党は、生活保護制度・生活保護基準に関する議論を活発に行うわけである。

 なぜ「税と社会保障の一体改革法案」が、2011年でも2013年でもなく2012年、それも8月という時期に成立したのか。なぜ5月に、生活保護バッシング報道が急激にTVを中心として盛り上がったのか。「2012年末に、政府がどのような結論を導こうとしているか」を考慮しながら振り返ってみると、「生活保護基準引き下げ」という結論のために、一連の流れが準備されていると考えるのが自然な状況だ。

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みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


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急増する生活保護費の不正受給が社会問題化する昨今。「生活保護」制度自体の見直しまでもが取りざたされはじめている。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を知ってもらうことを目的とし、制度そのものの解説とともに、生活保護受給者たちなどを取材。「ありのまま」の姿を紹介してゆく。

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