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「コモディティ(商品)バブル」の可能性を検証する

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第32回】 2008年5月28日
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 サブプライムの反省機運も何処へやら、またぞろバブル過熱の懸念が高まっている。今度の舞台は、言わずと知れたコモディティ(商品)市場だ。
 
 周知の通り、原油や穀物価格の高騰が世界的に関心を集めている。中でも、原油先物は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で年明けに初めて1バレル100ドルを突破した後も上昇基調を続け、先週半ばには135ドルの最高値を付けた。穀物相場に目を移しても、小麦やトウモロコシ、大豆などの取引価格がいずれも空前の高値圏で推移している。

 だが、原油価格でいうと、ここのところの上昇ピッチがあまりにも急だし、5月22日に135ドルを付けて同日に130ドルまで下がる、というような荒っぽい値動きには、「さすがに、少しおかしいのではないか」と心配になる。

 詳しくは後述するが、昨年来、商品価格の高騰ぶりには大いに不安を感じてきた。投資家のあいだに、あたかも「商品は別だ」という風潮が広がりつつある点が不気味だし、実物的というよりも金融的な資金が急激にコモディティ市場に流入していることも不安要因だ。

 そして、その不安を強めていたところに、先週、非常に気になるニュースを次々と目にした。正直なところ、住宅バブルと証券化バブルの合成が崩壊したことから起こったサブプライム問題の次に、「コモディティ・バブル」が起こる可能性があると思っている。商品価格はフェアバリューを計算することが難しいので、株式や不動産よりも「バブル」を確証することは難しいのだが、バブルの存在を示唆する状況証拠が複数登場している。

投信から商品先物相場への
資金の直接流入が始まる

 個人に一番近いところで言えば、気になるのは5月23日付の日本経済新聞の報道だ。金融商品取引法などの改正で、投資信託による商品先物市場への直接投資が年内にも可能になるというものだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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