「ザッソウタイム」のすすめ

 会話の初めにはウオーミングアップとして、多少の雑談や相手への気遣いの言葉があるとよいでしょう。また、上司や先輩が自分の話を先にすることで、発言のハードルを下げてあげることも重要です。

 そこで、“雑談”と“相談”を合わせて「ザッソウタイム」を取ることをお勧めします。例えば、OJTの時間の最初の10分とか、チームミーティングの冒頭に一人一言雑談とか。自分からあえてプライベートの話をすれば、新人もプライベートの話をしてもOKなんだという気持ちになり、徐々に相談や質問もしやすい環境になります。忙しい時間でも、人間関係の潤滑油として「ザッソウタイム」をぜひ導入してみてください。

 また、場づくりと同じく大切なのが、個別のフォローです。毎日の朝礼や週一回のチームミーティングを実施しているとしても、複数名の中で発言することは新人にとって、やはりハードルが高いことでしょう。いくら新人研修で報連相が大切だと伝えても、オンライン上で困ったことを伝えるのはハードルが高いと感じる人もいるでしょう。

 そんな時には、短い時間でも個別に話を聞いてあげるようにするとよいでしょう。不安な気持ちや健康状態などについても配慮して聞いてみることで、上司や先輩からも大切に扱われていること、仕事の仲間として受け入れられた感が得られます。

 新人たちも「早くチームの役に立ちたい」「貢献したい」という気持ちを持っています。それがなかなか発揮できずにいることで、真面目な人ほど「何のためにこの会社に入ったのか?」など悩むものです。一人で抱えてメンタルダウンを起こさせないためにも、個別に話を聞き、小さな階段を上らせるようなイメージで徐々に仕事に慣れさせるようにしていきましょう。