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マッキンゼーの元採用マネジャーに聞く「人材の条件」

リーダーシップとは自分の生きたいように生きること

『採用基準』刊行記念 酒井穣×伊賀泰代対談【後編】

伊賀泰代,酒井穣
【後編】 2012年11月26日
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酒井穣氏と伊賀泰代氏の前回の対談では、日常的なリーダーシップにまで話しが及びました。今回は、リーダーシップとは組織やチームを率いるためではなく、自分の人生に必要だとおふたりは強調されます。

自分が最も優れていることをアピールするのは無意味

酒井穣氏

酒井穣(以下、酒井):ある本に書いてあったのですが、機能しないチームの作り方というのがあるそうです。最初は自分の凄さをアピールし合うことから始まります。相手に自分の強さをアピールするのは、相手に「あなたは敵だ」というサインを送っているのと同じことです。犬でも信頼する相手には、自分の弱点である腹を見せますよね。お互いが自分の強さをアピールするのではなくて、弱点を見せ合うようでないとチームの基礎となる信頼関係を築くことはできません。信頼関係がない状態でコンフリクトをおこしたら大変です。ですから、信頼関係がないところでは、極端にコンフリクトが嫌われます。結果としてそのチームでは、本心からの合意が形成されません。でも、本心から合意したことでない限り、人間はそれを「自分の仕事だ」というふうには感じません。チーム内の随所において責任感が欠如しているので、誰が、どの仕事に責任を持っているかが解らなくなり、結果として、チーム内で情報が共有されなくなります。そしてお互いが何をしているかわからないので、チームメンバーは、最後にはチーム全体の結果に興味を失うのです。最初が自分の凄さをアピールするところから始まるのが明示的ではないですか?あくまでも個人的な見解ですが、日本のビジネスパーソンには強がる人が非常に多いと感じます。三枚目路線のほうが他者に警戒されないのに、どうしても二枚目路線で行きたがる。ビジネス・マッチョになりたがるというか。

伊賀泰代(以下、伊賀):チームで仕事をするうえで、一人一人が「俺が1番だ」と言い張るのはまったく無意味ですよね。チームで成果を出すためには、誰が最も良い案を持っているのかを探っていくのがベストです。

 この課題を解決するにはこの人の案が最適かもしれないし、次の段階の課題は他の人の案が的確かもしれない。みんなの意見の中から最良の案を選びながら課題をクリアしていき、最後の画面に辿りつくのがチームで成果を出すということです。あくまでチームの成果を出すことが目的で、誰が1番偉いかを証明するのが目的ではない、ということが共有できていないと、たいへんですよね。

酒井:これは半分冗談として聞いていただきたいのですが、その原因は結構明らかだと思っています。特に男性の場合は、女性にモテたいからです。男性にとっては、デフォルトとして、他の男性は素敵な女性を巡る永遠の敵なんですよね(笑)。チームビルディングを考えるときは、そもそも動物にとって、異性の興味を一身に集めることはデフォルトで備わっている性質であることを理解しつつ、それを上手に避けるように動くことが重要だと思います。要するに「一人でモテようとすんな」ってことです(笑)。

伊賀:よくわかります。採用のためのインターンプログラムで、チームで働いてもらうような場合にも、「チームの成果は何か」ということ何度も何度も明示的に確認させます。それをやっておかないと、人間的な本能から、自分だけ認められたい、良い格好をしたいという人が次々と出てきてしまいます。「チームで成果を挙げる」というのは、個人で成果を挙げるより、その点ではより難しいのだと思います。

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伊賀 泰代(いが・やすよ)

キャリア形成コンサルタント。
兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、コンサルタント(アソシエイト、エンゲージメント・マネージャー)、および、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年より独立。
現在は、キャリアインタビューサイト MY CHOICEを運営し、リーダーシップ教育やキャリア形成に関する啓蒙活動に従事する。
著書には『採用基準』がある。

 


マッキンゼーの元採用マネジャーに聞く「人材の条件」

マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた伊賀泰代氏。「超難関」と言われる同社の採用試験では、どのような人材を「できる人」と見なしていたのか。またどのような人を採用しようとしていたのか。いまの日本に必要な人材像についても聞きました。

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