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“景気予報”は米中がプラスでユーロ圏がマイナス?
2013年の日本を取り巻く世界経済の福音と不安の種

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第254回】 2012年12月4日
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米国、中国、ユーロ圏の動向やいかに?
年末から来年にかけての世界経済を予測

 景気減速が鮮明化している中国、バブルの後始末が終わらない米国やユーロ圏。そうした状況下、これから世界の経済、わが国の景気はどうなるのだろうか。今年から来年にかけての動向を考える。

 今年、最も期待を裏切ったのは中国だろう。2008年のリーマンショック後、4兆元の大規模な経済対策で国内景気を押し上げ、欧米諸国に代わって世界経済を牽引してきた中国経済は、今年前半に大規模な経済対策の効果がほぼなくなった。

 それはほぼ予想通りだったのだが、問題は期待された景気対策が遅れたことだ。それによって、中国経済の減速が鮮明化し、むしろ世界経済の足を引っ張ることになった。

 一方、欧米諸国のバブルの後始末は依然続いている。米国経済は徐々に明るさが見え始めているものの、ブッシュ減税の期限切れと財政支出の自動的な削減=いわゆる“財政の崖”の期限が迫っており、不透明さを完全に払拭することができない。本格的な景気回復には、まだもう少し時間がかかるだろう。

 ユーロ圏の信用問題はとりあえず危機的な状況を脱したものの、ギリシャやスペインなどの財政問題などが解決したわけではない。今後、各国は増税や財政支出の削減に取り組まなければならない。経済状況が悪化するのは、むしろこれからと見るべきだ。

 最近、ドイツの南欧諸国に対する姿勢がやや穏当になっている一方、スペインのにおける地方の独立問題など、厄介な問題が表面化している。ユーロ圏経済が底を打って持ち直すには、あと数年かかると見た方が良い。

 これらの要素を考え合わせると、来年前半は厳しい状況が続くと予想される。中国の景気対策の効果が顕在化し、米国が底打ちから上昇傾向が見えてくる来年の年央以降、世界経済に明るさが戻って来ることを期待したい。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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