「22卒手帳」から「23卒手帳」への新たなかたちへ

 初回の顔合わせでは、エグゼクティブプロデューサーの脇田氏から23卒手帳のデザイナーや編集者ら“社会人であるプロ制作者”の紹介があり、 “学生であるプロジェクトメンバー”の自己紹介が行われた。

 その後、見本となる22卒手帳の現物をメンバーそれぞれが手に取ってモチベーションを高め、制作メンバーと広報メンバーが別々の部屋に分かれて、23卒手帳の検討に入っていった。

 手帳の大きさ、ハードカバーかビニール掛けかといった仕様の選択、ポケットやペンホルダーをつけるかつけないか……など、制作メンバーの6人は、22卒手帳とは別モノのクリエイティブを意識しながらマスク越しに積極的なコミュニケーションを交わし、ホワイトボードに向き合いながら、新たなかたちを考えていく。

 一方、広報メンバーの4人は、23卒手帳のキャッチコピーを決めることからスタートし、「キャッチコピーを考える」という漠然とした議題からはなかなか意見が出なかったものの、「みんなが思う『就活』はどのようなイメージか?」「そのイメージに対して手帳がどういう存在であってほしいか?」というブレストで発言が弾んでいった。特設のWEBサイト*5 やSNSで、23卒手帳をどう広めていくかを討議し、共通のモニターでサイトのデザインや掲載写真といった“広報コンテンツ”を練っていく。

*5 特設サイト シン・就活手帳プロジェクト

 

 制作メンバー側のエディトリアルデザイナー・青木汀氏(ダイヤモンド・グラフィック社)が語る。
「昨年(22卒手帳)もそうでしたが、プロジェクトやモノづくりに対して真摯に向き合っている学生たちの姿がとても心強かったです。“紙の手帳”という“手に取れる制作物”を創り上げる経験を持つ学生は世の中でそう多くないはず。製本の方法など初めて知ることがありながらも、臆することなく、判断を下していくのが印象的でした」