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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

スペシャル対談
勝間和代×「社会企業家」ジョン・ウッド
大きく行け!さもなければ家に帰れ

週刊ダイヤモンド編集部
2010年1月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
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いまや世界的なムーブメントとなった「ルーム・トゥ・リード」。当代きっての売れっ子作家であり、自らも社会貢献を実践している勝間和代さんがジョン・ウッド氏の経営哲学、信条を聞いた。

ジョン・ウッドと勝間和代
ジョン・ウッド(John Wood)
ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。銀行勤務を経て1991年にマイクロソフト入社。30代前半で国際部門の要職に就くも、1999年にNPO「ルーム・トゥ・リード」設立。途上国の教育支援に力を注ぐ45歳。
勝間和代(Kazuyo Katsuma)
作家・経済評論家 監査法人、コンサルティング会社、外資系証券会社等を経て独立し、話題作を連発。3女の母親として少子化対策の重要性を発信し続けている。2008年から印税寄附プログラム「Chabo!」を継続中。
Photo by K.Sumitomo

K(勝間):2015年までに途上国の子どもたち1000万人に教育の機会を与える目標を掲げていますね。

W(ウッド):2009年には400万人の子どもたちがルーム・トゥ・リード(RtR)の学校、図書館、女子教育支援プログラム等を利用しました。2010年は500万人、2015年までに1000万人を目指しています。

:なぜ、かくも大きな成功を収めることができたのでしょうか。

:金銭的、職業的な成功を収めた人の多くが、教育がなければ今日の自分はなかったことをわかっているからでしょうね。あなたもそうだし、私もそうです。だから、寄附が集まる。

 教育によって、子どもの成功が保証されるわけではありませんが、機会の平等は保証されます。すべての子どもが本を読む権利、教育を受けるべきだというメッセージは非常にシンプルであるがゆえに、多くの人びとの関心を引きつけるのだと思います。

:女子教育に特に力を入れていますが、その理由は?

:ひと言でいえば、女子教育以上に効率のよい「投資」はないからです。一人の少女が教育を受ければ、彼女の家族、子孫にまでいい影響を与えることになるし、2万5000円あれば彼女を一年間支援できる。

 この地球で生まれたすべての子どもに、彼ら彼女らを教育し、本を読み聞かせ、学校の宿題を手伝ってやれる母親がいてほしい。そういう母親がいなければ、途上国の人びとは貧困の連鎖を断ち切ることはできません。貧困は複雑な問題で、その原因は一つではない。けれども、私は貧困の非常に大きな理由は「教育の不足」にあると考えています。

 アフガニスタン、パキスタン、ネパール、アフリカ諸国、世界のあらゆる場所で教育は不足しています。今朝目覚めた2億人もの少女が学校に通っていないのです。この問題を見過ごすわけにはいきません。

:まったく同感ですね。

W:一昨年、投資家グループ──あえて「ドナー」(寄附者)とは呼ばないんです──とネパールに行きました。

 新たに500人の少女を奨学金プログラムに追加することができて、最初はなんてすばらしいことだろうと思った。こんなにも多くの少女の人生を変えられるなんて。

 でも、プログラムには4000人もの応募があって、私たちは3500人を断らなければならなかった。倫理的にまったく弁解の余地のないことです。

 2009年には幸いなことに400万人の子どもを支援することができましたが、アフリカ、インド、アジア全域には、まだ私たちの手が届かない子どもが何千万人もいます。5歳の女の子に誰が言えますか、「悪いけれど君は教育を受けられないよ」って。

 だから、私たちは決して組織の成長の歩みを止めない。私たちはもっともっと資金を集めなければならないのです。

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