実際の「公約」を見て考えてみよう!

坪井 誰に入れるかと考えるときは、まず「公約」を見てみよう。たとえば自民党は「日本を、取り戻す。」というメインコピーを掲げているけど、これだけじゃ何のことやら(笑)。ではどんな政策か?と中身を見ていくと、目立つのは、

・物価上昇率の目標を2%に設定
・政府と日本銀行の連携強化、大胆な金融緩和などでデフレを脱出
・3%以上の経済成長を目指す

 などと、「経済重視」であることがよく分かる。物価上昇率2%で実質3%成長を目指すとなると、名目成長率は5%になるからかなり高い。実は、この公約を発表したときに市場が動いたんだけれど、それはまた次回話そう。

 各党の公約を見ていくとそれぞれの主義主張が分かる。今回は特に以下の4つが大きな争点になっているね。

・TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加
・原発・エネルギー政策
・消費税増税
・憲法改正

 こうしたところに明確な考えがあるなら、同じ主張をしている党に入れればいいと思うよ。分かりやすいのは原発とTPPかな。

 たとえば、原発問題。3.11以降、様々な意見の人がいると思う。各党が出した公約を見ても、原発・エネルギーは明確な違いがある。12党のうち民主党など8党は、期限はともかく「将来の原発ゼロ」を掲げている。一方、自民党は原発比率や年限の数値目標の明言は避けているし、日本維新の会は慎重姿勢に転じたよね。これだけでも「僕は絶対原発ゼロ派だ!」という人は自民党などには投票しないだろうし、「やっぱり原発がないと難しいよね」と考える人だったら民主党などには入れられない。各党の公約をよく読むべし。

何が正解、というのは後からしかわからないのが政治。だから、自分の今の考えを立候補者に託すんだよ。ただ、日本の場合ややこしいのは、党の中で考え方がバラバラなんだよね。
 原発もTPPも党内で意見がわかれているので、党の公約と立候補者の考え方を有権者はよくすり合わせた方がいいですよ。

―「私は自由貿易体制が重要だと考えるから××党かな」、とか、そんな風に自分の考え方を当てはめ、さらに個別の立候補者の見解を確認していくんですね!そんなに複雑な政治が分からなくても投票できそうな気がしてきました!