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金融市場異論百出

総選挙の争点で注目集める
「日銀の独立性」を復習する

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年12月11日
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 「なぜ中央銀行には独立性が必要なのか?」という質問を最近マスコミ関係者からよく受ける。衆議院選挙の争点に日本銀行の独立性が挙げられているからだ。

 中央銀行の独立性の当初の意義としては、政府の資金調達からの分離が挙げられる。日銀の設立経緯もそれだ。西南戦争(1877年)の戦費を賄う財源が当時の明治政府にはなかった。政府は紙幣を大量に発行してその支出に充てたが、それが激しいインフレを招いた。お金を生み出せる「打ち出の小槌」が手元にあると、為政者はそれに誘惑されてしまう。

 そこで大蔵卿(財務大臣)の松方正義は、欧州を見習って、政府から分離した日銀を発足させ、紙幣発行をそれに行わせることによって通貨価値の安定を狙った。

 しかし、紙幣発行を政府から分離しても、中央銀行に国債購入を約束させて政府が財政赤字を膨らませたら同じことが起き得る。戦前・戦中の軍事費調達のための日銀国債引き受けの失敗を反省して作られたのが、日銀国債引き受けを禁じる財政法第5条である。

 近年、多くの新興国は、基礎的財政収支を黒字化させることを法律で掲げている。財政が健全であれば、中央銀行を「打ち出の小槌」にしたくなる動機は政府になくなる。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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