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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見
【第134回】 2012年12月13日
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莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]

中国の新リーダー・習近平氏を
判断するのに欠かせない3つの要素

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 第一八回中国共産党大会(一八大)が終了し、習近平・李克強政権が実質的に誕生した。同大会第一回全体会議で選出された政治局常務委員7人による記者会見には、多くのメディアが集まった。共産党総書記、共産党軍事委員会の主席に就任した習近平氏の約10分前後の「就任演説」をめぐって、日本メディアの多くは、そのスピーチにある「中華民族の復興」という表現にだけ注目し、その内容について対外的に強硬な姿勢をとるのではないか、と報じた。

強硬派と決めつけるのは
あまりにも短絡的

 しかし、私から見れば、それはたいへん表層的な報道としか言いようがないと思う。私が知っている限りでは、まず1934年7月13日、当時の中華民国を率いる蒋介石が、江西省にある有名な避暑地・廬山で特訓を受けている将校訓練団のメンバーを対象にして、「抵御外侮与復興民族(外国の侵略に抵抗し、民族を復興させよう)」と題する講演を行っている。その講演の冒頭で、蒋介石氏は、まずこの講演のタイトルをつぎのように説明した。「よりわかりやすく言うと、私たちはどのように敵に抵抗し、私たち中華民族を復興させるべきなのか、ということです」と。

 2009年10月、中華人民共和国建国60周年の式典での胡錦濤氏のスピーチのなかでも、何度も「中華民族の偉大な復興」という言葉を繰り返している。

 おそらく調べれば、「中華民族の復興」という表現を使った中国の政治家はもっと大勢いると思う。だから、このキーワードを使ったということだけで、習近平氏を強硬派と決めつけるのは、あまりにも短絡的すぎると指摘せざるを得ない。

 私から見れば、習近平氏を判断するには、次の3つの要素を絶対見落としてはいけないと思う。この3つの要素は重要度から見れば、次の順番となる。

①対外経済の最前線である沿海部の地方自治体でトップを務めた貴重な経験。
②広東省を改革・開放の基地に築いた父・習仲勲氏(元国務院副総理)から受けた影響。
③農村「下放」時代で身につけた庶民感覚。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり・・・中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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