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ミャンマー その投資ブームは本物か

現地支援歴28年!日本ミャンマー協会関専務理事
終戦直後のミャンマー米の恩を忘れてはいけない(1)

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第19回】 2012年12月20日
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官民挙げてミャンマー投資へ積極的に取り組む今の日本にあって、まだミャンマーに陽の目の当たらない時代から現地との関係構築に勤しみ、現在の活発な交流活動の礎を築いてきた日本人の方々は多い。今回からご紹介するのは、政界・財界を含めて日本のミャンマー交流活動の旗振り役を担っている日本ミャンマー協会だ。28年間にわたるミャンマーとの交流経験を生かし、同協会の実務を統括する関専務理事に、今までのミャンマーとの交流活動と、政財界のミャンマー交流の取り組みの現状について話を聞いた。

28年前からミャンマーを支援
丸紅時代は1社で与信を付与

せき・あきのり
一般社団法人日本ミャンマー協会専務理事。丸紅国際業務部でタイ駐在時代に、ミャンマーの支援に関わる。丸紅退職後、笹川平和財団を経て、2012年3月、日本ミャンマー協会発足と同時に専務理事に就任 Photo:DOL

――初めにミャンマーに関わった経緯は、どういったところからだったのですか。

 私は丸紅の国際業務部に所属しており、1983年から90年までバンコクに駐在していました。その時に、1984年にヤンゴン空港の円借款での入札があり、バンコクから入札書類を持って現地入りしました。その案件は無事に受注したのですが、1989年の騒動で案件自体が中止になってしまいました。ミャンマーとの最初の関わりはそこからです。

――その後も継続的にミャンマーに関与されたのですか。

 1990年に日本に帰ってきて、国際業務部の戦略部門に在籍しました。いろいろな新興市場をカバーしていましたが、1995年頃、再びミャンマーが新しいマーケットとして脚光を浴び始め、ミャンマーに出張しました。ちょうどそのころは、その後失脚したキン・ニュン第一書記首相の改革路線が出てきており、アウン・サン・スーチー氏の第1回目の自宅軟禁も解け、民主化への期待が高まった時期です。

 その当時、ミャンマーは国内消費用の石油を買う外貨もないほど、財政的に逼迫していました。そこで、丸紅は与信を付与して彼らのお手伝いをしました。

――それは丸紅単独で取り組まれたのですか?

 そうです。丸紅単独で与信を与えました。これに対してミャンマー政府からは相当評価してもらいました。当時の財政歳入大臣、エネルギー大臣、国家計画大臣を含めて、皆感謝してくれました。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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