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ミャンマー その投資ブームは本物か

クーデターに超インフレ、3度の廃貨政策も克服
時代に翻弄され生き抜いた食用油会社の事業家魂

杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]
【第17回】 2012年11月29日
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 連日のように報道される最近のミャンマー関連の記事を見ていると、この国がついこの前まで軍事政権下にあり、海外からの積極投資からはほど遠い世界だったことが、はるか昔の出来事のようにさえ錯覚してしまう。

一方で、この国の現地企業の中には、直前の軍事政権下どころか、その前の社会主義経済の時代から、かれこれ50年にわたり劣悪な事業環境をじっと耐えしのぎながら、今まで過ごしてきた会社もある。今回は、ごま油等の生産販売を手掛けて創業56年になるGolden Hourse Company Limited社のThein Han社長へのインタビューから、ミャンマーが辿ってきた社会主義政権時代の経済状況を振り返ってみてみたい。

なお、ミャンマーは1989年に国名をビルマ(Burma)からミャンマー(Myanmar)に変更しており、その当時はビルマであるが、混乱を避けるため本稿では一部を除きミャンマーと記載することとする。

すでに創業50年以上
社員150名超の食用油会社

Golden Hourse Company Limited社のThein Han社長 Photo:Japan Asia Strategic Advisory

——現在はどのような製品を生産していますか。

社長 現在弊社は、ピーナッツ油、ごま油、パームワインの製造及び輸出を行っています。日本ではごま油は馴染みがあると思いますが、ピーナッツからとれる油もミャンマーでは非常に一般的です。

——社員は今何名ぐらいいるのですか。

社長 現在は工場に100名程度、それ以外のオフィスや各地の営業所などに、50名程度います。

——ちなみに貴社の創業はいつですか。

社長 私の父が創業したのが1956年ですので、もう55年以上前ですね。私は1951年生まれですので、創業時はまだ5歳でした。

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。


ミャンマー その投資ブームは本物か

民主化へ一気に動き出したミャンマー。政治体制の不安定さや民族間の紛争など、ミャンマー特有のリスクは依然として残るものの、欧米による経済制裁が解除されつつあり、世界中の企業が東南アジアの「ラスト・フロンティア」として注目している。現地では電力をはじめとした社会インフラに関する大型投資案件、工業団地の造成が急ピッチで進められている。日本企業も、成長の糧をミャンマーに見出そうと、熱い視線を注いでいる。しかし、ブームとなっているミャンマー投資は、果たして本物なのだろうか。ブームに踊り、現実を軽視した、拙速な投資へと急いでいないだろうか。現地取材を敢行し、冷静な目でミャンマーの現実をレポートする。

「ミャンマー その投資ブームは本物か」

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