上海ロックダウン、官僚システムの迷走を暴いた「勇気ある正直者」の電話ロックダウン中の上海でPCR検査を待つ人々 Photo:VCG/gettyimages

新型コロナウイルスの感染拡大で、3月28日から段階的ロックダウンに入った上海市。政府は引き続き「コロナゼロ化」の掛け声の下、全住民のPCR検査などを強行しているが、現場はかなり混乱しているようだ。ある電話のやりとりを収めた動画がネットで拡散している。(フリーライター ふるまいよしこ)

3月28日から段階的ロックダウンに入った上海

「上海市衛生健康委員会は今朝(4日)、以下の通り報告を行った。2022年4月3日0時から24時までに新型コロナウイルスに感染確定した患者425人と無症状感染者8581人が新たに記録された。患者のうち71人はこれまでに無症状からの感染確定であり、7人の感染と7920人の無症状感染者は隔離管理状態において発見され、その他はリスク関係者への検査によって発見された。海外からの新型コロナウイルス輸入感染確定は8人、無症状患者は4人で、いずれも閉鎖隔離状態で発見された。各地域別情報は以下の通り……」

 3月28日から段階的ロックダウンに入った上海市内では、毎朝このような一見詳細なフォーマットで前日の新規感染者数の発表が行われている。SNSの公式アカウントからはこれに続いて、市内16区で新規感染者が出た場所の住所が具体的に付記される。毎日毎日、機械的な発表を繰り返すこともまた、上海市当局が考える「科学的、合理的」な新型コロナ感染対策の一環のようだ。

 だが、そこに爆弾が投じられた。