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帝国データバンクが6月8日に発表した2022年5月の「全国企業倒産集計」(負債1000万円以上の法的整理)において、単月の倒産件数が12カ月ぶりに前年同月を上回った。また一方でロシア・ウクライナ情勢などを背景とした原材料費の高騰が企業の経営を圧迫している。現状はどうなっているのだろうか。(帝国データバンク情報統括部 阿部成伸)

実質22カ月ぶりに倒産増加
倒産動向の潮目は変わるか

 2022年5月の全国企業倒産は、件数が前年同月(461件)比12.1%増の517件、負債総額が前年同月(1664億4700万円)比52.8%減の785億4000万円となった。1月から5月までの累計件数は2501件で前年同期(2546件)を1.8%下回っている。

 こうした中、コロナ関連融資などの各種支援策によって抑制され続けてきた件数動向が増加基調(前年同月比基準)に転じていくのか注視されている。

 負債総額が半減したのは、前年同月に令和最大の倒産〈(株)東京商事、特別清算、負債1004億8300万円〉が発生していたためだ。