外国人と日本人のビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

「英語には必ず主語がある」と学校では教わったが、カジュアルな会話では主語や文頭がごっそり落ちる話し方もある。省略パターンを知ってコミュニケーション能力を磨こう。職場を想定した例を中心に紹介する。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)

「主語なし英語」の歴史と“超実践的”活用法とは

 Think we can do this?

 同僚や友人があなたにこう言ったら、どう答えますか。Thinkという動詞で始まっているので命令形だから、「考えろ」と言われているのだと思うでしょうか。

 でも、語尾のイントネーションが尻上がりになっています。実は、「これ、我々にできると思う?」とあなたに質問しているのです。省略された部分を補うと、Do you think we can do this?となります。

 私たちは、「英語には必ず主語がある」と学校で教わりました。しかし、現実の会話ではこのように主語がないことがあります。可能なときにはラクをして話したいのは、英語ネイティブも同じ。誰が主語なのかが明白なときは、主語を省略するのです。これは、カジュアルな口調になります。

 他方、決まり文句などでは、カジュアルでなくても主語なしのことがよくあります。例えば、日本の子供だって知っているThank you. という表現。主語の“I”が省略されています。本来はI thank you.なのです。

 目の前の相手に対して、自分が感謝しているので、誰が主語なのかは明白。だから、主語なしの形が定番になったのです。

 それでは、いったいいつからThank you.が定着したのでしょうか。また、主語なし英語を使う場合に絶対注意すべきことや、具体的な実践方法をいくつか紹介します。職場などでもアンテナを張っていると、主語なし英文を結構使う人、ほとんど使わない人がいることに気づくはずです。よく使う人たちの性格には、何か共通点はあるでしょうか?