写真:英会話,クエスチョンマーク写真はイメージです Photo:PIXTA

グローバルな舞台で存在感の薄い日本人。その理由の一つは質問下手だからだ。他人の英語で分からなかったのは一部だけなのに、“Could you repeat that?”などと聞き返したばかりに、かえって面倒なことになることも。「分からなかった部分のみをピンポイントで質問する方法」をマスターしよう。簡単なのに重宝するテクニックだ。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)

質問したい内容に応じて繰り出せる
「的確な質問ノウハウ」とは?

 英語での会議やディスカッションで、聞き取れなかった箇所を質問することは非常に大切です。重要なポイントを聞き返さないでいると、議論が先に進むほど、ますます話が分からなくなってしまいます。あなたが貢献できたかもしれないチャンスを、「聞き返せなかった」ばかりに、みすみす逃すのは本当に残念なことです。

 臆することなく話の流れを巧みにさえぎって、上手に質問できる日本人は少ないようです。「英語が苦手な自分だけのために話をさえぎるのは迷惑では」とか、「同僚や上司の前で自分が出しゃばっていいのか」などと考えて躊躇(ちゅうちょ)してしまうからでしょう。「遠慮しあう・気遣い・和」といった言葉に表される日本文化の良い面が、逆に日本人の行動を制限してしまう典型的な状況です。

 聞き返すことをためらう理由の一つに、質問したい内容に応じて繰り出せる「的確な質問ノウハウ」を持っていない、つまり「質問下手」なことも関係あるでしょう。

 例えば、相手の発言で分からなかったのは一つの単語や数語を組み合わせた言葉だったのに、Could you repeat that?とか、よりカジュアルにSorry?などと聞き返してしまう。

 そうすると相手は、同じ内容を最初から繰り返さなければなりません。要約したり、分かりやすく言おうと気を利かせて違う表現や単語で言い直したりするので、かえって面倒なことになりがちです。

 そこで今回は、一語、あるいは数語からなる語彙(ごい)が分からなかった時に、とっさに使える質問方法、「エコークエスチョン」をご紹介します。