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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

ワシントンの就任式で
目撃した民主主義の真髄と
オバマ大統領の“個”人力

加藤嘉一
【第18回】 2013年1月28日
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4年前の1期目の就任式からは減ったものの、80万人もの人々がオバマ大統領の演説を聞こうと集まった Photo by Yoshikazu Kato

間近で見たオバマ大統領

 ワシントン市内のホテルを予約することはできなかった。どこも満室だったからだ。旅行代理店関係者によると、2013年1月18~21日までの大統領就任式(Inauguration)期間、市内のホテルは安くても一泊800ドルまで吊り上ったという。

 1月19日、土曜日、快晴――。

 二日後に迫った就任式を前に、一足先にワシントン市内を見て回ろうと思った。

 週末のワシントンは静寂に包まれていた。財務省、商務省、環境省、FBIなど主要政府機関の間をすり抜ける。国会やホワイトハウスへと通じるペンシルヴェニア通りを散歩してみると、超大国アメリカ合衆国の首都は意外なほど殺風景に写った。

 ベンチで煙草をふかしている白人の中年男性に「なんで人がいないんですか?」と聞くと、「週末はみんな仕事しないんだ。政府の役人たちは郊外に住んでいるからね。でも平日は人の海だよ」と教えてくれた。

 ホワイトハウスの近くまで足を延ばしてみると、さすがに観光客で人だかりができていた。就任演説後のオバマパレードに向けて、早くも観客用の椅子が設けられていた。すべての席は予約制で、「実際は特権階級の人間しか座って見物できない」と近くにいた市民が教えてくれた。

オバマ大統領が通るときは、厳重な警備が敷かれ、空気も張りつめる Photo by Y.K.

 ホワイトハウス周辺を歩いていると、周囲が急に騒がしくなった。まるで格闘家のような体格をした警察官たちが突如現れ、交通規制を始めた。道路の両サイドには人だかりができる。

 「オバマが来る!」

 たまたま居合わせた人たちは皆、興奮気味だ。私も「どうせなら待ってみよう」と人だかりの中に紛れ込んだ。約15分後、十数台の警護車を引き連れて、オバマ大統領を乗せたワゴン車が目の前を通った。後部席の窓は開いていた。オバマ大統領は外に向かって手を振っていた。

 「リラックスしているな」、私にはそう映った。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

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