「単なる妄想」を「地に足のついた戦略」にまで落とし込む方法を解説した『直感と論理をつなぐ思考法──VISION DRIVEN』という本をご存じだろうか。各業界のトップランナーたちに絶賛され、論理に偏った世の中に違和感を抱く人々に大きな共感を呼んでいる一冊だ。本稿では、同書の一部を抜粋・編集してお届けする。

「意見を軽んじられる人」に共通する、たった1つの特徴Photo: Adobe Stock

「意味」がない直感は、
単なる「妄想」にとどまる

 直近2回にわたり、情報の「①インプット」およびその「②解釈」という観点から「自分なりの答え」をつくるための方法論を見てきた。

◎参考記事①:「絵がヘタな人」に共通する、たった1つの特徴
◎参考記事②:「意見がつまらない人」のたった1つの特徴

 このプロセスを完結させるためには、最後のステップが必要になる。

 それが、自分なりの解釈に「意味」を与えることだ。

「意味」を付与することで、初めてそれは他者と共有できるようになる。

 たとえば、自分なりには「すごく面白い!」と感じているアイデアがあるのに、それがなかなか上司のOKを得られないという人は、この「意味づけ」のステップでつまずいている可能性が高い

 残念ながら、「意味」が感じられないアイデアは、他人の目には「単なる妄想」としてしか映らないのである。

「意見を軽んじられる人」に共通する、たった1つの特徴自分なりの答えをつくる「センスメイキング」の3プロセス

ほんとうに大事なのは、
右脳と左脳を行ったり来たりすること

 個人のイメージでとらえている世界を、他人と共有するには、やはり「言語化」が欠かせない。

 このとき参考になるのが、「映像」と「言語」とを往復する思考法である。

 膨大な量のトレンド写真を収集し、壁に貼り出してタグ付けを行いながら、新たなイノベーションの種を洗い出すといったことは、欧米のデザインファームではかなり一般的に行われている。

 戦略デザインファームを経営する僕も、ブランドデザインなどの依頼案件があった場合には、その企業の人たちとともに、ビジュアルカードを使ったトレンドリサーチを行う。

 日本国内や時には海外の最先端事例のさまざまなライフスタイルを象徴する写真を集めてカード化し、写真からヒントを得ながら新たなアイデアを考えるのである。