ソニーPhoto:Diamond

行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

総合電機3社が増収
パナソニックは2割も増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は22年5~9月期の四半期(3社の対象期間はいずれも22年7~9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ソニーグループ
 増収率:16.1%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入2兆7519億円)
・パナソニックホールディングス
 増収率:20.0%(四半期の売上高2兆901億億円)
・シャープ
 増収率:14.7%(四半期の売上高6958億円)

 総合電機業界の主要企業3社が、そろって2桁増収を記録した。特にパナソニックホールディングスは2割増という大増収だった。ただ増収とはいえ、原材料の高騰の影響などで好調とは言い切れないようだ。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収要因と本当に好調といえる企業はどこか解説する。また、円安が急進したことによって、各社の業績で明暗が分かれた。円安を要因の一つとして、大減益と通期業績の下方修正に追い込まれた企業があるので、その企業についても見てみよう。