特に気分を上げてくれるのは
“懐かしい記憶”

 そうした記憶と気分の相互作用を前提にすると、気分良く快適な毎日を送るには、良い気分にさせてくれるような記憶、心のエネルギーが湧いてくるような記憶との触れ合いを心がけることが大切だといえる。

 そのような記憶との触れ合いを多くするには、ときどき思い出す時間を持つことが必要だ。このとき注意しないといけないのは、気分の良いときに過去を振り返るようにすることだ。そうすると、良い気分になじむポジティブな記憶が引き出される。それを繰り返すことで、心のエネルギーが湧いてくるような記憶へのアクセスが良くなる。

 心地いい気分にさせてくれるのは、何といっても懐かしい記憶だろう。「ああ、本当に懐かしい」といった気分にさせてくれる記憶を呼びさますと、ポジティブな気分になり、心のエネルギー水準が高まる。嫌なことがあって気分が沈んでいる時でも、懐かしい思いにひたることができれば、心のエネルギーが補充され、気分は上向く。

 その意味でも、普段から懐かしい記憶を引き出す習慣を付け、懐かしい記憶へのアクセスを良くしておくのが望ましい。