企業理念を「絵に描いた餅」にしない、たった1つの簡単な方法Photo:PIXTA

企業理念が単なるキャッチフレーズになってしまっていて、「絵に描いた餅」になっている企業が少なくない。日々の業務プロセスを進捗させるだけで、企業理念の実現度を高めることができる方法がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

企業理念が
「単なるキャッチフレーズ」になっていないか

 企業が果たすべき使命を「ミッション」として掲げ、到達地点の姿を「ビジョン」として示し、発揮していきたい価値を「バリュー」として整理し、企業理念を打ち出している企業は多い。

 しかし、この企業理念、「企業のホームページに掲載されていることは知っているが、内容はよく知らない」「そのために、具体的に何をどのように実行すればよいか、考えたことはない」「経営者はいつも言っているが、自分たちの業務には関係ない」というように、絵に描いた餅になってしまっていることも少なくない。

 企業理念が、単なるキャッチフレーズや、うたい文句になってしまっている状況を解決しなければならない。組織を担うメンバー一人一人が、企業理念を語れることができ、何をどう実行すればよいか具体的にイメージできていて、日々の業務を通じて企業理念を体現できている状況にするには、どうすればよいのだろうか。

 このように申し上げると、経営者からは「そのような方法があるならば、苦労していない」「企業理念の浸透は、長い年月がかかるものだ」と嘆く声が聞こえる。一方、メンバーには「企業理念の研修で長々と理屈や理論の解説を聞かされるのは、もうたくさんだ」という拒否反応さえ生じているように思える。

 実は、企業理念を実現するためのアクションを日々の業務プロセスに組み込んで、一人一人の日々の業務遂行を企業理念の実現につなげることができる、とても簡単な方法がある。