中途解約で元本割れ…
貯蓄を目的とした保険の留意点

 個人年金保険もそうだが、保障と貯蓄を合体した保険の場合、中途解約すると多くの場合、元本を割る。でもこれは別に不思議なことではない。保険は一定の期間、何かあった時に保障を得られるために加入するものであるから、そもそも保険の中途解約という概念自体、あまり意味を持たないからだ。

 繰り返しになるが、保険は貯蓄ではなく、必要な期間に必要な資金の手当てが得られる「保障」という機能を購入するものだ。もし貯蓄だと考えるのであれば、中途解約で元本を割り込むようなものに預けるべきではない。預金であればいくら満期前に解約しても利息が減りこそすれ、元本を割ることはない。

 このように、資産形成のための手段としては「貯蓄型保険」はかなり不適だと言える。

 結局、保険の本質を見失わないことが大切だろう。保険自体はとても大切なものだからこそ、余計に利用方法を間違わないことが重要だ。保障が必要な期間に必要な金額を計算し、それに見合う保障を得るためにシンプルに掛け捨てで保険料が安いものを選ぶべきだろう。