選ばれるクスリ#14Photo:©Eggy Sayo/gagettyimages

片頭痛治療薬の処方患者数ランキングで、トップ10に頭痛発作を鎮めるトリプタン系薬5剤がランクインした。では1位は?特集『選ばれるクスリ』(全36回)の#14では、処方患者数ランキングを公開するとともに、新たな治療の選択肢をお伝えする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

トップ10にトリプタン5剤
発作時の治療に有効

「頭痛の診療ガイドライン」(監修:日本神経学会、日本頭痛学会、日本神経治療学会)が片頭痛の発作が起きたときの治療で「有効な薬」に分類するのがトリプタン系薬。処方患者数ランキングのトップ10にはこのタイプの薬が5剤ランクインした(下表参照)。ランキングは、医療情報サービスを手掛けるメディカル・データ・ビジョン(MDV)とDeSCヘルスケアのデータを基に、ダイヤモンド編集部が作成したものだ。

 3位のリザトリプタン安息香酸塩(製品名:マクサルトなど)、4位のエレトリプタン臭化水素酸塩(製品名:レルパックスなど)、5位のスマトリプタンコハク酸塩(製品名:イミグランなど)、8位のゾルミトリプタン(製品名:ゾーミッグなど)、10位のナラトリプタン塩酸塩(製品名:アマージなど)、いずれもトリプタン系薬である。

 片頭痛の治療は、発作時の頭痛を鎮める急性期のもの、頭痛の発作が起こるのを抑制する予防の二つに大きく分かれる。ランキング1位と2位は急性期治療で使う、トリプタン系薬とは別のタイプの薬だ。

 次ページでは、処方患者数ランキングを全公開するととともに、新たな治療の選択肢をお伝えする。2021年以降、急性期治療薬と予防薬のどちらも新しい薬が登場しているのだ。