「伝えるために必要な表現」だけ覚えよう

「文法を覚えないと、会話なんてできるはずないじゃないか!」そういった意見もわかりますし、それは間違いではありません。しかし単語と同様、必ず使うものだけを覚えるほうが効率的だと言えます。会話を目的にすれば、「過去の言い方」「質問の伝え方」など、必要最低限の知識でいいのです。過去完了や仮定法など、細かい文法事項を一からすべて覚える必要はありません。細かいルールは一切無視して、普段の会話でどんな表現をよく使うかを考え、それらを覚えればよいと言えます。

・~した
・~に行ったことがある
・~したい
・~する予定だ

 このような表現を、外国語でどう伝えるかを知っておくだけでいいのです。「~に行ったことがある」と伝えたいなら「have been to」を使う、と覚えればいいわけです。わざわざ堅苦しく「現在完了形の『have + 過去分詞』の経験用法を使う」といった覚え方をする必要はありません。

 同じように、「~したい」と伝えたいときには「want to」を使うと知っていればいいし、「~をすることが好きだ」と伝えたいときには「like ~ ing」を使うと覚える――。これが会話できるようになるために必要な文法(=表現)の覚え方だと言えます。

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