あなたは「内向型か・外向型か・両向型か」を把握できているだろうか。

 心理療法士のマーティ・O・レイニーの『内向型を強みにする』(務台夏子訳、パンローリング)によると、世の75%は楽天的で活発な「外向型」。残り25%は大勢の人が苦手で疲れやすい、考えすぎる「内向型」だという。

 この「型」は、生まれつきの脳の回路の違いによって生じるもので、「違うタイプになりたい」と願っても難しい。

 つまり、僕たちは自分の生まれ持った特質を受け入れ、その強みを最大限に活かすしかないわけだ。

『内向型を強みにする』には自分のタイプを見極めるための「自己診断テスト」として30の項目が挙げられているが、僕は28項目が「YES」に該当するため「完全な内向型」だと判明。だからあのときどっと疲れたのか……と過去の「違和感や疲労の理由」が一気に理解できた。

 テストを受けずとも、大抵の人は直感でピンとくるはずだ。ざっくり、内向型は「1人でいるのが好き」「大人数で過ごすことが苦手」という人が当てはまる。一方、外向型は大勢でいることを好む。「大人数の飲み会や音楽フェスなどのイベントに参加して、ワイワイ騒ぐのが好きな人」「旅行などで外を飛び回るのが苦にならない人」というイメージだ。

しないことを決めて
消耗の少ない習慣作りを

 少しイメージしてほしい。社交的な外向型の人が、部屋に数時間こもらされ、人との接触を禁じられ、事務作業を強いられたとしたら。その仕事ははかどるだろうか?

 反対に、静寂を好む内向型の人が、営業や交渉事など対人的要素の多い仕事を課せられたとしたら。目覚ましい成果を叩き出せるだろうか?これらは極端な例だが、どちらのケースも概して「難しい」と言わざるをえないだろう。

 さらに言うと「しんどさ」により悩まされているのは、全体の25%である少数派の「内向的」な人たちなのだという。

 なぜなら一般的な社会では、「積極性」や「コミュニケーション力の高さ」が重視されるからだ。就職試験の面接をはじめ、ビジネスの現場を思い浮かべてみると、納得できるだろう。今でこそ「ひとりカラオケ専門店」「ひとり焼肉専門店」なども見かけるようになったが、多くのサービスは「家族」や「グループ」など複数人での利用を前提としたものが多い。