今年に入り、米経済指標改善
消費堅調、製造業景況指数上向く

 今年に入り、米国経済は、小売売上高や企業の景況感を示すISM製造業景況感指数などの経済指標の改善が目立っている。

 連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが急ピッチに進められてきたにもかかわらずだ。

 コロナ対策の給付金で家計の貯蓄水準が依然高いことや在庫調整圧力がそれほど強くなかったことが背景にある。

 市場の参加者の中には、今年の米国経済について、景気後退のあとの軟着陸(ソフト・ランディング)から、そもそも景気後退はない(ノー・ランディング)シナリオもあり得るのではないか、という楽観論が浮上している。

 ここでいう軟着陸とは、一時的に小幅なマイナス成長はあってもそれが連続して続くことはない浅い景気後退をいい、景気後退がないシナリオとは文字通り、平均して2%程度のプラス成長が続くことを想定している。

 消費者物価指数(CPI)の上昇率は鈍化しているとはいえ、FRBとって安心できるほどのものではない。FRBはさらに利上げを積み増す必要がでてくる、との見方もでてきた。