賢い買い物のための基本 2
制度の変更に敏感になる

 消費税のほかにも、住宅ローン減税の大幅な拡充案や、自動車取得税の廃止の方針など、制度変更で消費者が影響を受けるものがあります。

 住宅ローン減税は、現行では、今年末までの入居に対して年末の住宅ローン残高(最高2000万円まで)の1%(最高20万円)までが減税になる制度です(適用期間は10年間で合計の減税額は最大200万円まで)。

 しかし、2014年以降も、新しい住宅ローン減税があるのではないかとも言われています。
 年末の住宅ローン残高4000万円に対して、最高40万円(10年間で400万円)まで拡充する案が出ているようですが、先行きはわかりません。
 こうしたケースでは、ニュースなどをよく見るしかありません。

 知ってると知らないとでは大きな差になることもあります。知らなかったとならないためにも、制度に敏感でありたいものです。

ムリして駆け込み買いをするよりも
頭金を貯めた方がトクな場合も

 住宅の場合、金額が大きいので消費税増税前にムリをしてでも買ってしまおうという人もいるかもしれません。
 でも、本当にそうなのでしょうか。
 実は焦らずに、しっかりと頭金を貯めてから購入したほうがおトクなこともあります。

 頭金はないけど急いで購入するか、焦らず頭金を貯めてから購入するか、どっちがトクなのかケーススタディーで考えてみましょう。

 ■頭金なしで年内に4000万円の物件を購入する場合
 【総コスト】 約5365万円
 (住宅ローンの総返済額5565万円 − 住宅ローン減税200万円)

 4000万円の物件をすべてローンで購入する場合、総返済額は約5565万円(金利2%、35年返済)になります。ここから住宅ローン減税が最大の200万円控除されるとしても、総コストは約5365万円になります。

 ■頭金を作ってから5年後に購入する場合
 【総コスト】 約5124万円
 (住宅ローンの総返済額4524万円+頭金600万円)

 今年から5年かけて頭金600万円を作り、住宅ローンの借り入れを3400万円に抑えた場合、総返済額は約4524万円(金利2%、30年返済)になります。

 いかがでしょうか。下のケースの方は頭金を捻出していることから、利息が減り、総返済額をおさえることができます。
 加えて、もし、住宅ローン減税が拡充されるなら、今年急いで購入する以上に、減税の恩恵を受けることができるかもしれません。